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episode5
おらふくんSide
「お父さん、お母さん、ただいまぁ!」
「おかえり〜。おらふ。」
「おかえり〜。」
王宮へ帰るとお父さんとお母さんが待っとった。
僕は戦利品のお宝をお父さんたちに見せていると、執事さんが駆け寄ってきた。
「おらふ様〜!!!一体どこへ行ってたのですか!!」
「あ〜、ごめんごめんww。おんりーとMENと一緒にドラゴン退治行っとったんよ。」
相当走り回っとったのかな。
執事さんの額には大粒の汗が浮かんどる。
「いいやないか。元気なことはいいことやろ、おらふ。」
「おんりーチャンやMENくんにありがとうゆーとくんよ?」
「うん!」
お父さんとお母さんは僕の行動をとやかく言わん。
とにかく自由。僕の好きにやっとる。
人に迷惑をかけず、ちゃんと人としてまっすぐ生きてとは言われとるけどな。
「へ、陛下!?王妃様!?」
「おんりーチャンとMENくんついてるなら大丈夫やろ。」
「困ってもドズルくんとぼんくんもついてるから大丈夫や。」
お父さんとお母さんは4人への信頼が半端ない。
おんりーとかMENへの信頼はもちろん、ドズルさんやぼんさんへの信頼が特に重い。
わからんくもないけど。
「な、ならば私めに先にお伝えくださりませ!」
「いいやないの。おんりーチャンたち着いとるんやし、おらふの好きにやりーや。」
「お、王妃様ぁ………。」
執事さんはお母さんになにか言いたげやったけど、流石に言えないことなんやろうか。
すぐにどこかへ行ってしまった。
「お母さん。お父さん。今日な、今日な〜。」
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MENSide
「たでーま、親父、母さん。」
「お〜、おかえり。MEN。」
「ご飯できてるわよ。」
ふわっと香るシチューの匂い。
さっき軽食を口に入れたばかりなのに、腹が鳴る。
「TNT発射装置、小型化してどうだった?」
「ん〜……もうちょい発射したときに拡散させたほうがいいかなって。」
親父は武器職人だから俺の武器についていつも知りたいと言っている。
俺も親父のつくる武器を超えるため、鍛冶場を見に行ったりもしている。
この家は俺の誇りだ。毎日楽しい。
「おんりーチャンとおらふ王子は元気?」
「すげぇ元気。今日もおらふくんTNTノリノリで発射してたし、
おんりーチャンドラゴン退治の自己ベスト更新してた。」
あらあら。とおふくろが笑っている。
息子がドラゴン退治に行っているというのに全く心配しないのが俺らの家族なのだ。
信頼が厚いというか、心配してなさすぎるというか。
「ん、いただきまぁす。」
母さんの作るシチューは美味しい。
いや多分世界で一番美味しいかも。
「MEN、ちゃんとドズルくんとぼんくんと仲良くしてる?」
「してるよ。」
母さんが心配するのも無理はない。
ちっちゃい頃から俺が2人に喧嘩ばっかふっかけて揉み合いになることもあったから。
まぁ、今も……だけど。
「学校はどうだ?」
「ん?すっげぇ楽しそう。
えっとさ、俺の守護霊がイノシシで、使い魔がフクロウだったんだけど。」
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ドズルSide
「ドズさんっ!」
「なんですか〜。」
ご飯も食べ終わって、2人だけの部屋に戻ってきて。
今日あったことを日記に書いていると、ぼんさんが僕を呼んだ。
「この力のポーションと再生のポーションなんだけどさ、
こういう感じにしたいんだけどなんかいい材料あるかな?」
「なるほど。じゃあ量増やしてみますか?
あと強化用の薬持ってきましょう。」
「それいいじゃん!」
椅子から降りて鞄の中身を漁ってみる。
どこで入ったんだろうという種とか羽とか棒が出てきて見つからない。
「もー!!ドズさん!!まぁたドズってる!!」
そういいながらも探すのを手伝ってくれるぼんさん。
卑怯卑怯って自分で言っといて優しいんだから。
「あ、あった!!」
鞄の奥深くに、醸造台と瓶、そして材料その他を詰め込んだ缶。
ぼんさんの机の上で材料とポーションのもと、水を火にかける。
「もうちょっと量増やしてみる?」
「副作用強くならないといいですけどね〜。特に再生のポーション。」
そうして僕らは消灯時間を過ぎてもポーション研究に打ち込んだ。
ほんっと、先生に怒られなくてよかった。