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月が…
学校帰りの双黒です。
二人は同級生です。
付き合ってるかどうかは微妙な所なので、お好みでお読み下さい。
中也side.
今日は用事が長引いてしまって、学校を出た頃にはすっかり日が暮れていた。少し肌寒く、人肌が恋しくなる。こんな時に限って太宰がいない…
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「んっ、くしゅっ!寒…」
「お、中也!どうしたの〜?風邪〜?」
「太宰!これは風邪じゃねェ。つか、何でこんな時間にここに居んだよ!」
「中也を待ってた。そしたら君、気付かず行っちゃうんだもん。」
「…あっそ…。////」
確実に赤くなった俺と、にやけてこちらを見下ろす太宰。ふと、その視線が上を向いた。俺もつられて見上げると、見事な月が美しく輝いている。
「《《月が綺麗ですね》》」
この言葉の意味、|太宰《あいつ》は分かるだろうか…
「…月、綺麗だな…」
言ってから気付いた。慌てて太宰の方を向くと、ちょうど目が合う。
「こんな日には、死んでもいいな…」
顔が真っ赤に染まるのがはっきり分かる。
それからしばらく、まともに顔を上げられない。
家まであと少しの所で、太宰が口を開いた。
「ね、ねえ、中也。その…さっきの…////」
「っ!////な、何だよ…」
「ねえ、あれは本当なのかい?」
真っ赤な顔で見つめられた。
「…本心で悪いかよ…////」
「っ!////…悪、く、ないよ。むしろ、嬉しい…」
珍しく素直な太宰。これまでで一番可愛かった。
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闇夜の中、一筋の光は人を素直にさせる。
次は俺がとことん|揶揄《からか》ってやる…