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DOLLCHESTRA「青とシャボン」
ユザネ歌蝶京華
使ってる曲DOLLCHESTRA「青とシャボン」
一言聞いてみていい曲だったから使っちゃった(*゚▽゚)ノ
短編小説『青空に、君がいた』
君は、シャボン玉みたいな人だった。
ふわりと笑って、風に乗って、どこか遠くへ行ってしまいそうで。
でも、僕はその笑顔に恋をした。
放課後の校庭で、君は空を見ていた。
「青って、ちょっと寂しい色だよね」
そう言った君の横顔が、あまりにも綺麗で、僕は何も言えなかった。
それから、僕は君を目で追うようになった。
教室で、廊下で、帰り道で。
君が笑うたび、僕の心は少しだけ痛くなった。
「好きだよ」
そう伝えたのは、春の終わり。
君は驚いた顔をして、少しだけ黙ってから、
「ありがとう」って言ってくれた。
それだけで、僕は嬉しかった。
君が僕の言葉を受け止めてくれたことが、何よりも嬉しかった。
でも、君は遠くへ行ってしまった。
転校の知らせは、突然だった。
最後の日、君は青空を見ながら言った。
「シャボン玉って、すぐ消えちゃうけど、
空に溶ける瞬間が一番綺麗なんだよね」
僕は何も言えなかった。
ただ、君の手を握っていた。
君は笑っていた。
その笑顔が、僕の中にずっと残ってる。
今でも、青空を見るたびに思い出す。
君の声、君の笑顔、君の言葉。
「好きだよ」
あの日の言葉は、風に乗って、君に届いたかな。
シャボン玉みたいな恋だった。
儚くて、綺麗で、すぐに消えてしまったけど、
僕の中では、ずっと輝いてる。