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主人公は今日も今日とて馬鹿にするーテスト返却編ー
第4話。いじめっ子ちゃんの運命は…?
「テスト返しまーす」
(やった!これで寝不足で死なずに済む!)
今日初めて先生たちがせっかちでよかったと思った。
ミキは呑気に「やったぁ」なんて思っているが、反応は人それぞれである。
顔を青ざめる者、絶望にうつむくもの、自身に目を輝かせる者……
まぁ、ミキは完全な後者だが、自分のテストより、他人のテストの結果の方が気になるのである。
(さて…ユキナはっと)
チラリとユキナの顔色をうかがう。
「っ………」
どうしよう、と焦っているのが目に見えてわかった。
(もー、朝はあんなに元気に絡んできたのに、あと、今更焦っても意味ないし)
心の中でこっそり煽る私はやっぱり性格が悪いのだろう。
(さーて、みんなお待ちかね、テストの結果は?)
まずは自分のをササっと流し見る。
5教科全部返ってきたので、総合得点を計算する。
(まー、こんなもんか)
そこそこ良かった自分のテストを置いて、今度はユキナのことを観察し始める。
目だけ動かして、怪しまれないように、注意してテストの点数盗み見る。
(まあ、盗み見なくて良かったかもしれない)
イタズラした科学に至っては、10点を切っていた。
0点じゃないのは、さすがにおかしいと思って回答をいくつか書き直したからか。
(いちゃもんでもつけてくれないかなー)
そうミキが願った瞬間。
「っちょっとアンタ、テスト見せなさい!」
「あっ、」
(ユキナのこころに、通じた…?!)
残念ながらまぐれである。
それよりテストだ。ミキのテストは取り上げられ、ユキナに勝手に見られている。
(まー、私にとっては何の問題もないんですけど。私ってば頭が良いからー)
5教科全て、ユキナは流し見る。
ミキはユキナなんかに負けてはいないという自信があるし、科学はもう天と地の差だろう。
(わざと科学を1番下に入れたんだなぁ…)
だから最後の最後で表情が一変するザマを見ることができる。
あれ、読者さん引いてる…?
ひどいなー、私のこと、大好きでしょ?
さっ、肝心なユキナの結果は……
「っ、こんなのありえない!!」
(それがありえるんですよ、天才の私にかかれば、ね。)
彼女は科学のテストを見終えた瞬間、キレ始めた。
「だって、わたしはっ…」
(言いたくても言えないんでしょー?「アンタのをカンニングしたはずなのに」なんて。)
「もういい。放課後公園に来なさい。」
(なにっ、デート、告白イベント?)
そんなわけあるはずがないが、たくさんユキナをおちょくりたいので、わざとありもしないことを
呟く。
…と、いうわけで、次回はユキナとの放課後編である。
時々ミキちゃん読者に話しかけますね。うちのミキがどうもすみません…((