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主人公は今日も今日とて馬鹿にするー家庭科編ー
第6話。今回からは精神的ダメージが加速していきます。
朝、学校に来たら、机の上に牛乳パックが積まれていた。
(いやこれ漫画でよくみるやつー。)
有名ないじめのパターンそのIを今、この瞬間経験しているという事に、少し感動を覚える。
次に目についたのは、黒板に書かれた文字。
(これもよくあるやつー。)
黒板に書き殴られた、雑な私への悪口。
ずいぶんと大胆に出たな、と思う。先生にバレたらどうするんだろうか。
(ってか、ここまで来たら上履き隠しとかやってくれよ。)
キリが悪くて気持ち悪い。
(むーん、…いつもと違うなぁ。)
その予感は的中し、事件は起こる。
「それではみなさん、今日は1人1つ、ハンバーグを作ってください!」
「「「「おおーーーっ!」」」
家庭科の調理実習の幕開けに、何人かの生徒が声を上げた。
さて、今回のお題はハンバーグ。
1人1つ、個人で作る。1人で全て作るので、料理が苦手な人にとっては辛そうだ。
(さっ、つくるぞ)
ハンバーグはミキの好物だし、今回は個人戦でユキナをいじるチャンスも無さそうなので、
真面目にやらせてもらおうと思う。
(牛乳入れて、こねて、こねて……あっ、パン粉ない。ソースもないや)
あと一歩、焼く直前に、いくつかのものがないことに気がついた。
急いでビニール手袋を外して、先生にどこにあるか聞きに行く。
「えっ、パン粉ないんですか?」
「先生今からとってきますね。」
家庭科の先生はパン粉を取りにどこかへ行ってしまった。
(仕方ない。その間にソースの準備を…)
ソースも自分で作ることになっているので、何をどれくらい入れれば良いのか、
注意して準備する。
(よし、最高のソースができた。)
少し味見して満足すると、ハンバーグを焼こうとフライパンの元に戻る。
パチパチぱちっ。
ハンバーグが焼け始めると、いよいよ楽しみになってきた。
残念ながら鼻が詰まっていて、そのおいしい匂いはわからない。
「焼けたっ!」
皿にハンバーグをのせ、ソースをかけると、ウッキウキでハンバーグを口に運ぶ。
(あー、おいし………くないっ!?!?!?)
流石のミキでも仰天するほどの不味さだった。
甘いのか酸っぱいのか辛いのか渋いのか苦いのかわからない、気持ち悪い味。
「げほっ!」
当然ながら吐き出してしまう。
それでも鼻にツーンときて、目に涙がたまる。
ばっと周りをみると、ユキナと、その取り巻き達がこちらをみてニヤニヤと笑っていた。
その手には、皿。
ミキがソース作りに使った、ガラス製の皿だった。
(まさか!?)
パリイイイイン。
皿が割れる音がした。
ハンバーグたべたいです。
次回、ミキのえげつない反撃、開始です。