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タンカフェーヌを救え!1話 今日もここは平和です!
マンションタンカフェーヌへようこそ。
ここは短編カフェ住民が住んでいるマンションです。
さあ、あなたもこの駅近物件に住んでみませんか。
「ふぁあ〜。」
エントランスにカードをかざす。
テロロンッ
機械的な音と共に、ドアが開く
うぃーん
エントランスをくぐるとそこにあるのは大きなアクアリウム。
色鮮やかな珊瑚と熱帯魚。
赤いカーペットのふちは金色の細い線で囲まれている。
アクアリウムの裏には談話室。
ガチャ。
白に控えめな色の花が散りばめられた布が使われているソファーに座る。
アメニティとしてあるポットで湯を沸かし、ティーカップ二つにティーバッグをセットする。
しばらくして湯気の出る音が響いた。
カップに湯を注ぐと香ばしい香りが広がった。
高級感漂うこのマンションの名前はタンカフェーヌ。
私の友人の買ったマンションである。
ガチャ。
「ごめん、待った?」
「うん。待った。」
「そこは今来たところ、でしょ」
この女性は歌蝶沙那。
三つ編みが似合う学生。
&金持ちの娘。
「ほら、茶やで」
「あんがと。」
苦い…。
「ルク、砂糖いれすぎ」
「たったの五個やで。」
かっかっかっかっ
ティースプーンで砂糖を溶け込ませる。
「んで、なんのようなん?」
「いやさ、親友だからいうね、」
いきなり深刻な表情になりこちらを見る。
手を顎の下で組み、何やらしんけん。
「マンション、取り壊されるかもしれないんだ。」
「は?」
築三年、駅徒歩一分。短編カフェ民のみ家賃無料、部屋はめちゃ広くてご近所さんが優しいここが
取り壊される…?