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私たちの始まり 夜珊瑚side
「何か小説投稿したいな・・・。」
外には一歩も出たくないほどに暑かった初夏の夜。
そんなくだらない承認欲求を満たすため、数十分ほどスマホに向かい合った。
検索ワードを変えてはスクロール、変えてはスクロールを繰り返した。
「あーダメだ、全部メアドとかGo○gleアカウントいる・・・。」
これ以上探しても無さそうだ、と以前にも出していた結論をもう一回出そうとしていた時だった。
「ん・・・『短編カフェ』?」
私は出会った。
「メアド不要、初心者でも気軽に投稿出来る・・・。」
説明を見て行く手が止まらない。さっきは何も得なかったスクロールも、今となっては有意義なものだ。
「・・・よしっ!これに登録する!投稿してみる!」
一つの決意を決めた私は、その日の内に新規登録を済ませてしまった。
初日は日記を投稿した程度だった。
そりゃあ反応は無かった。でも、短編カフェを見付けた喜び、私にも使えるんだ、という嬉しさで全部が紛れた。
次の日には小説を投稿した。
ずっと書きたかった小説の一つ。本当に小説を書き始めた時と比べれば上手く見えた。執筆は楽しかった。
ファンレターが来た。偶然見付けられたそうだが、次も見たいと言われて心が温まった。
後はそれの繰り返し、執筆して、投稿して、たまにファンレターをもらう。
その内、私にも変化があった。
自主企画に参加した。たくさんファンレターを送った。リレー小説も書いた。
ネッ友が出来た。
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「へー、テキストライブ?楽しそうじゃん。」
この頃には思い付いたら即行動、すぐにアカウントを作って、ネッ友と話していた。
そして、いつもと同じあの人の配信に参加していた時の事だ。
知らない人が参加していた。誰かな、と思いつつも、話すのは楽しかった。いつものような話ばかりだったけれど。
結局、ご飯の時間もあって最後までは見れなかったが、後からこっそりアーカイブを見て、その人が誰か分かった。
しかも、その人はリレー小説を始めていた。そのまま流れで参加してしまった。
そこからネッ友に誘われた。勿論快諾した。そして、しばらくテキストライブで話すことが続いた。
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とある日、あの人・・・いや、リーダーからグループのお誘いをいただいた。
「勿論、やるしかないっしょ!」
元々興味のあったグループに誘われて嬉しかった。
その勢いでテンプレートを埋め、即投稿。
「それじゃあ参加しますか!」
そう少し息を置いた後、
自主企画に参加するボタンを押した。