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beau monde 5
(少し)ネガティブ表現あり!お気をつけを!!
「誰、この子」
思わず口にしてしまった。
学校から帰ってきたら、髪の長い女の子がいたから。
「ハロイアさんが任務の途中で拾ってきたツユって子。りふも仲良くしてあげてね〜」
立夏が、そう言う。
普通に「ただいま」って言って、普通に「おかえり〜」って言ってもらいたかったのに。
普通の日常に、いつもと違うものがある。
青空に突然雷が流れるように、
全部があってこそ動く歯車が一個取れたりするように、
あたしの日常はゆっくりゆっくり、狂ってった。
全部全部全部全部、ツユっていう女の子を中心に回って行ってる気がする。
今日のご飯はツユちゃんの好きなものだった。
昨日行ったのはツユちゃんが行きたい、と言ったところだった。
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愛がもらえなかった。
生まれた時から、「いらない子」だって言われて育った。
走って走って走って、逃げて逃げて逃げて逃げて逃げた先には、"ここ”があった。
初めて、あたしが、愛をもらえた場所。
あたしのことを大切にしてくれる人がいる、あたしのことをかわいいと言ってくれる人がいる、あたしを必要としてくれている人がいる。
精一杯、頑張ったつもりなのに。
どうして?
なんで?
ハテナでいっぱい。
ドウシテ、アタシカラアイヲウバウノ?
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「任務行ってくる」
ツユちゃんがいる空間に耐えられなくて、あたしはそう一言残すと、その場を飛び出してった。
「あ…えっと…」
ツユちゃんの声が聞こえた気がしたけど、無視して出ていく。
気づいたら、目からぼろぼろ、塩水が…
これ、涙か。
涙なんて、久しく流してなかったな。
幸せだったから。
あの場所が、あたしの全てだったから。
|立夏《りっか》です。
りふが、突然任務に行くと言って飛び出しました。
「あ…えっと…」
ツユちゃんが戸惑ってる。
最近りふはおかしい。
なんか言われても笑ってるだけだし、自室に引きこもってるし、
玄韻様は、「ツユが来たことを気にしてるんじゃないかな」って言ってた。
そうかもしれない。
ツユちゃんばっかり、ちやほやされて、ヤキモチ妬いてるのかもしれない。
うーん…
どうしようかと、考え始めたら。
ツユちゃんが、飛び出してった。
「えぇ!?」
慌てて外に出ると、りふと同じ方向に向かった。
まさか…!
|あの頃《・・・・・・》みたいに、
走って、走って、走って。
逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて。
走馬灯のように思い出が流れてく。
ぽつん、と1人。
ぽつんと1人、野原に1人。
あの頃と変わったのは、大事な、大事な人たちにもらった服と、可愛いステッキ。
ぽつんと1人、野原に1人。
堕天使は夢に舞う。
自分で書いてて意味わかんなくなってきちゃった…⭐︎
長くなりそうなので区切ります()
1話しか書いてない分の人(ハロイアさん、りふ意外の人)は番外編書いて埋めますので!!
今日はノってます、三つ投稿するかm((フラグ
それでは!