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濡れたスニーカー
帰る頃にはとっくにあたりは暗くなっていた。雨の音がやけに煩い。ざーざー。遠くの町の雨の音まで聞こえている気がする。雨と夜のせいで視界が悪かった。じめじめと髪が頬に張り付く。私はそれを払って歩く足を速めた。蒸し暑さと雨で顔はベタベタだった。ぐしょり、と靴から音が鳴る。靴下まで濡れてるだろうな。歩くたびにぐしょ、ぐしょ、と気分の悪い音が聞こえる。でもそんな音もこの大雨に消えていった。薄汚れたスニーカー。これが、雨のせいならいいのに。傘の持ち手を撫でる。学校から帰ろうと靴箱から出した頃から濡れていた。水を吸ったスニーカーはいつもの倍以上重かった。後ろから嘲笑うような声が聞こえた。ビニール傘は所々穴が空いていた。穴どころでは無い。カッターで切り裂かれたような跡。
水溜りに映る私はすごく醜い姿をしていた。
ぐしょり、ぐしょり。これが、雨のせいならいいのに。