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バナナ教(日替わりお題)
霧島月那
「バナナァァァ!バナナ様!」
「え...?」
「ここが我がバナナ教の神、バナナ・イエロー・バナナ様の礼拝堂です」
「あ、はい...」
いや、友達に誘われて楽しそうだからと入信したバナナ教だがこんなにやばいところだとは思わなかったけどここやばめの宗教団体じゃん...絶対入るところ間違えたけどあいつはなんで入ってんだ?
「ここの鐘がなったらすぐにここに集まってバナナ様を拝むのがルールです」
「そうなんですね...この走り回ってる人はそのままでいいんですか?」
「はい。なるべく自由にするのが神の教えですから。神の目に入ったものはたくさんのバナナに恵まれて食には困らないのです。だからみんなバナナ様の目に入るように頑張ってアピールしているのです」
「そうなんですね...じゃあ僕も挨拶してきますか」
「あぁ、ちょっと待って」
「はい?」
「挨拶するときはバナナを持ってってください。じゃないとバナナ様は見てくれません。」
「え?でも今は持ってないですよ」
「じゃあ食堂でかってきてください。今日はいつもより仕入れが多いそうなのできっとあると思います。」
「あぁ...わかりました。かってきます」
いや...なんであいつはこんなおかしいところに入ったんだ?食堂は意外と近いみたいだけどえっと...あ!地図がある...ってここはちょっとつながっているバナナみたいな形してるのか。バナナ好きが作った宗教じゃん、ここ。とりあえずバナナ買わないと...
「すみません。バナナを1本。」
「はい。もしかして新しい人?」
「あ、はい...」
「拝むんだったらあともう1本買いなさい。今日はバナナをみんなでお供えする日なの。」
「あ、そうなんですね...じゃあもう1本ください」
「はいよ。600円ね。」
「600円...はい」
「ありがとうね。またきてちょうだい」
「ありがとうございました」
バナナを全員でお供えってなんだよ...頭いかれてるな。この宗教。
「あ、戻ってきたんですね。おかえりなさい。」
「今日はバナナをお供えする日なんですね。」
「あ、そうだった。良かった、バナナを持ってきてて。」
「それは良かったですね」
カンカンカンカン!カンカンカンカン!
「あ!座って座って!」
「あーはい」
『バナナバナナバナナバナナバナバナバナナバナナバナナバナーバナーバナナー...バナナバナ...』
「あの、これの台本とかないですか?」(小声)
「あ、はいどうぞ」
『バナナ!バナナ!バナナァ!バナバナバナナ!バナナァァァ!バナ...』
いや、怖い怖い怖い。え?まじでみんな今どこ言ってる?ちょっと追いつけないんだけど
『バナナァ!...バナナ・イエロー・バナナ様いつも見守ってくださりありがとうございます。本日はバナナを持参しました。どうぞお食べください。そしてこれからも見守ってください。バナナァァ!』
え?これは本当になに?今俺はどこにいるんだ?そしてこの儀式はなに?
「ほら!バナナを備えに行きますよ!」
「え、あ、はい。」
(バナナ様、はじめまして。よろしくお願いします)
「どうでしたか?」
「なんか不思議ですね」
「でしょう?この感覚がくせになるんですよね!」
「あ、あはは...」(何いってんだこいつ)
「また今度会いましょう。僕は用事があるので。じゃあ。」
「あ、ありがとうございました。」
よし、今すぐやめよう。