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無朝迷路異変ノ章 中編
「こんにちは、何でも屋さんと魔法使いさんと新入りさん」
にっこりと、偽りの微笑みを浮かべた彼女。
彼女は神野信。管理世界の手前にある神界の門番だ。そして、大前神社の巫女もつとめている。
「なんの用ですか?まあ、こんな神聖なところに来る関係ないやつは速攻ぶちのめすに限りますがね」
「皆さんに頼ってばかりじゃいられません!闇符『魔界漆黒』」
「きゃっ!」
信を闇がぶちのめした後、わたしたちは門をこじ開けた。
天空にそびえる神界は、地面がふわりとしている。
「ったく、強引ね。それにしても、なんの用?」
「この異変を解決するためよ。道中は苦労したわ…」
信が追いかけてきた。
「朝が来なくて、迷路になってしまう『無朝迷路異変』を解決するのよ。あんたのとこの奥にある世界・管理世界のとこに向かうところ。その向こうのゲンソウキョウにいる夜ノ迷路が怪しいと睨んで」
「そういうことだったんですか!早く言ってくださいよ。案内しますね、ここは神聖なる場所なので異変なんて影響なしですから」
今までより簡単な道順で管理世界へとつく。
「到着です!あとは香子さんに聞いて下さい。わたしは神を信じれば信じるほど力が増すのですが、まだ信じたほうがよさそうでしたね」
「とっとと行くぞ」
さっきよりも大きな扉を開ける。
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そこは大小、色様々なモヤがおびただしい数ふわふわ浮いていた。
その真ん中に、女性が座っていた。
「誰?」
「若野香子よね?」
1億歳を超える彼女の能力は位置を操る程度の能力。世界の位置すら分かっていて、別世界に行くには彼女を経由しなければいけないのだ。夢は別だけれど。
「配達の依頼?」
「違う。別世界への依頼」
「そう。まあ来なさいな」
ふわりと、わたしたちの位置が操られる。
香子は体力が落ちてから配達員を始めていたっけ。
事情を話す。
「ふぅん。幻想郷世界ね?えーっと…ここね。迷路しか出入りしてなかった世界。さ、行きなさいな。危険になったらすぐ貴方たちの位置を操ってよびもどすから」
「はい、いくよ」
紅の声ひとつで向かう。
そこを抜けると___