行ってきます

「おかぁさぁっ…！」 「なぁに〜？」 「こぇ、よんで…ほしい」 「いいわよ〜、こっちいらっしゃい…？」 「うんっ！」 小さい時、お母さんに本を読んでもらうのが好きだった。 「おとうさん！きょうはどこいくのー？」 「それは着いてからのお楽しみだぞー？」 「はーい！」 お父さんに、綺麗なところに連れて行ってもらうのが好きだった。 「唯！はやくいくよ！」 「まってっ、まってぇ…」 「はやくはやくっ！」 弟ができてからは、たくさん連れ回して遊んだ。 「はい、はい…そうなんですね…」 「ご迷惑をおかけしました…」 「…」 「それだったら、早く言ってくれたら、色んなところ行ったわよ…」 「だって、友達いないんだもん…」 「よし！明日は久々に唯も咲も遊びに行くぞ！」 「うん！」 不登校になってから、幼稚園が休みの時がある唯と遠くの公園に遊びに行った。 「咲ー！ご飯！」 「まってまって、後ここだけ！」 「終わったらすぐきなよー！」 「わかったー！」 高校受験の時に、たくさん手伝ってもらった。 「お母さん、お父さん、今までありがとう。」 「うん、体に気をつけるんだよ」 「いつでも帰ってきていいからね」 「うん。じゃあ、行ってきます！」 そんな私は今日、成人式の日に家を出て上京します。 夢を叶えるために、たくさん頑張ってきます。 今までありがとう。 行ってきます。