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かくれんぼ2
「キャッ?!ここ、どこっ」
「ああ、良かったわ。幸い、狂いも最小限ね。これなら、あとでなんとかなるわ」
慌てふためく4人を見て、わたしはため息を付く。
「あんた、誰よっ」
「ああ、わたし?レイよ。貴方が亜美をいじめていると知って」
「いじめてなんてないわよっ、遊んでるだけ」
「はいはい、『遊び』の名を汚すものは___」
--- 「**`本当の遊びで消えてしまいなさい`**」 ---
大丈夫だ。いまなら、きっといけるはず。
「さっそくだけど、かくれんぼしましょう。この学校中、どこでも隠れていいわ。タイムリミットは昼休みが終わるまで。移動はナシ。もしわたしが、昼休みまでに貴方たち4人が、1人でも見つからなかったら、わたしの負け。全員見つけることができたら、わたしの勝ち」
「へぇ」
リーダー格であろう子が言った。
「あたしは里美」
「弘子だよ」
「穂です」
「乙葉よ」
「ふふ、じゃあ、隠れるタイムリミットは2分。その間、わたしは体育館でしゃがみ込んでいるわ。移動はナシだから」
「ったく、分かってるっつーの」
かくれんぼ___
それは、わたしが、死んだ遊び。
---
2分たち、さっそくわたしは取り掛かった。
この学校の地図は、頭に入れてある。時を止めた時、拝見した。おそらくだが、彼女らは姑息なことをしている。体育館倉庫とか、生ぬるいことはしないだろう。
校則違反になるため、他の教室へは入らない。クラス名簿を見た時、彼女らは全員6年2組ということも確認済みだ。そして、鍵がかかっている、音楽室・理科室・図工室などは隠れられない。
___学校中といっても、行動範囲はそんなに広くない。
彼女らは浅はかだから、『学校中』というワードを『とても広い』と思い込んだだろう。そして、有利だと思っただろう。でも、実際はむしろ狭い。校庭、図書室、教室、廊下、体育館ぐらいを探せば、すぐにあぶり出すことができる。
わたしは瞬時に体育館倉庫を探した。ホコリを被っている道具の中で、少しだけ、ホコリがないものがある。跳び箱の下。
ミスリードではないだろう。あんなことで、容易に思い込み、決めつけるやつだ。
「見ぃつけた」
「ひぃ!?」
出てきたのは、細身で華奢な穂だった。
穂は体育館のど真ん中に座らせた。
___次は、何処へ行こう。