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『少年の日の思い出』after story
中1の時に書いたものを少しだけリメイクしてますが、殆ど原文のままです。
『少年の日の思い出』を読んでからこれを読むことをおすすめします。
葉巻キャラを吸い終わる頃、友人の話は終わった。ただただ私は驚いた。友人がそのような過ちを犯してしまうような人とは思わなかったからだ。彼はどんな気持ちで蝶を押しつぶしてしまったのだろうと思い、目を向けると夜の闇に包まれ表情が全く見えなかった。
私は彼にかける言葉が見つからなかった。数秒の間、沈黙が私たちを包んだ。すると月が雲から顔を覗かせ、友人の表情を少しだけ見ることができた。友人は何かを考えるような顔をしていた。私には何を考えているのか分からない。それが大好きだった蝶のことなのか、彼の心が少年の頃から囚われている原因のエーミールという少年のことなのか、あるいはもっと違うことなのか。私には分からない。いや、分からなくてもいいのかもしれない。友人は席を立ち、
「もう遅いことだし、帰るとするよ。」
と言い、書斎のドアに手をかけた。私は咄嗟に立ち上がった。彼にかけてあげる言葉は何かないのかと必死に考えた。
「あの......今でも蝶のことは、好きなのか。」
と私は声を今にも消えそうな声を絞り出しそう言った。そんなとても小さな声だったけれど友人の耳には届いたようだった。彼は私の方を向いて悲しそうに微笑み、書斎を後にした。
短めですが、考察できそうな部分を沢山詰めました。
よろしければ考察してくださると嬉しいです。
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