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【 2 】
『 …… ここら辺のはず … 』
最近 、 人型のミュータントが多く出没しているらしい 。
突然変異体はどうやって生まれているのかわからない 。
いつから存在しているのかもわからないし ……
そんなミュータントのせいで 、 私の家族は殺された 。
私はミュータントを絶対に許さない 。
だから今日もこうして 、 森の中を歩いている 。
ミュータントは森や洞窟などの静かな場所に多い 。
『 目撃情報も多いし 、 ちょっと怖いな … 』
ガサガサ…
『 …!ど 、 どこ … ? 』
「 ……… 誰 ? 」
『 あなた … 人間 ? 』
「 … ミュータント 」
『 やっぱり …… 』
「 何しにきたの 、 討伐でもするつもり ? 」
『 もちろん 、 覚悟してね 』
「 あっ 、 マフユ ! 急にいなくならないで … よ … 」
2人 … !?いや 、奥にもう1人いる …
群れてる奴らは厄介だ 、 一対三なんて勝てるわけが …
………… いや … ひとつだけ方法が ……
『 … あんまりこれは使いたくなかったけど … 仕方ないな … 』
「 に 、 人間 … ?なんでバレたの !? 」
『 少し 、 静かにして 』
「 … ? 」
〜〜〜 ♪
〜〜〜〜 ♪
「 ! … お 、 音楽 … ? 」
私の曲には 、 治癒効果があるらしい 。
昔 、 1回だけ 、 小さなミュータントに使ったことがある 。
これは討伐じゃない 、 治療だ 。
ミュータントが憎い 。 本当はこの世のミュータント全てを討伐したい 。
でも今の私には無理だ 、 攻撃力もゼロに近い …
『 …………… 』
「 … っう … 」
「 ちょ 、 ミ 、 ミズキ … ! これ何 !? なんとかできないの !? 」
「 知らない知らない ! なにこれ初めてなんだけど ! 」
効いてるっぽい … ?
人間のミュータントに使うのは初めてだから 、 成功とか失敗とかわからない …
「 あ … ? なに 、 これ 」
「 か 、 顔が … ! 」
顔の一部がだんだん崩れていく 。
これは何 … ? どういう状況なの … ?
「 っ … ? 」
気づけば 、 耳や鋭い牙 、 しっぽなどが全て消えていた 。
これが 【 治療 】 …
元の生物に戻った … ってことか …
『 え 、 えっと … 』
「 … すごい 」
『 へ … ? 』
「 あなたの曲 … すごかった 」
「 び 、 びっくりだよ … 治療できるってことは知ってたけど … 」
「 その … あ 、 ありがと 、 治してくれて ……… あなた名前は ?」
『 カ … ケ 、 K … 』
「 そう … 私はアサヒナマフユ 」
「 シノノメエナ … よろしく … ?」
「 アキヤマミズキ ! よろしく 、 K !」
「 珍しい名前だね 。 外国の人 ?」
『 それは … 教えてもなんにもならないでしょう 、 』
『 というか治療したらどうするんだろ … 野放しにするわけには … 』
「 ボクたちは別に 、 このまま洞窟暮らしでもいいんだけど … 」
『 でも … 』
さすがにこんな森の中で … 人間が洞窟で暮らすなんて危ない 。
『 あなたたちはもうミュータントじゃないの 。 ここにいると危険だよ 』
『 とりあえず 、 近くの研究所に行くから 、 着いてきて 』
「 わかった … ほ 、 ほんとに大丈夫なんでしょうね ? タイミングを見計らって 、 私たちを殺したりとか … 」
『 しないよそんなこと 、 殺人になっちゃう 』
まだ心を開いてない … 当然だよね 。
今までミュータントだったんだから 、 人間が怖いに決まってる 。
どうしようかな …
『 えっと … お 、 音楽でも聴く … ?』
「 … さっきのやつ ?」
『 ううん 、 さっきのとは違うよ 。 少しでも安心できたらいいんだけど … 』
「 聴きたい ! Kの曲 、 なんか心が軽くなるんだよね 〜 」
「 ちょっとミズキ … 」
『 エナも 、 一緒にどう ? 』
「 ………… す 、 少しだけ …… 」
私たちは 、 私の作った曲を聴きながら 、 暗い森を歩いた 。
研究所に行くのは初めて 。 私は民間の討伐者だし 。
組織や部隊には入っていないから 、 ミュータントの知識はあまり無い 。
自分なりに勉強したけど 、 世間に公表されている情報はかなり少ない 、 まだまだ分からないことだらけだ 。
こういうの 、 普通はニュースになったり 、 避難したりするもんじゃないの … ?
『 んーーーー …… 』
「 K …… どうしたの 、 迷った ?」
『 えっ 、 あいや 、 考え事してただけだよ 。 大丈夫 』
「 そう … これもすごく素敵な曲だった 。 ありがとう 」
『 い 、 いえいえ … どういたしまして … 』
『 っと … 着いたね 、 ここが研究所 … だよ 』
「 うわ … でっかい建物 … なんか不気味だし … 」
「 エナってば ー 、びびってるの 〜 ?」
「 は !? 別にびびってないし ! 」
『 あはは …… 』
普段はひとりで過ごしてる私だから 、 なんだか 、 すごく新鮮だ 。
人と話すのなんて 、 何年ぶりだろう 。
少し 、 胸がキュッと苦しくなった 。