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【UTAU二次創作】とある病院、怪しい記者。
倉成町私立病院ホームページ/Dr.誰か
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ピクシブ百科辞典/頻音クロク https://dic.pixiv.net/a/%E9%A0%BB%E9%9F%B3%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%AF
倉成町私立病院、淡本中学校を書くきっかけになった作品です。
本当に大好きなので、同じく大好きな
頻音クロクさんも交えて書いてみました。
...まただ。また患者を殺してしまった。
彼は退院間近だったのに、なぜ殺してしまった?
おかしい...医者が患者に手を出すなんて。
でも、なぜかやめることができない。
身体が勝手に動いて、患者にナイフを突き立てていた。
患者の衣服に、傷口から溢れ出た血が染み込んでいった。
その光景から目が離せず、高揚感さえ感じた。
いけないことだとは分かっているのに...なぜ?
頭が痛くなってきた。痛い。
ひどい頭痛に、刃物を握っていた手が緩んだ。
甲高い金属音を立てて、刃物は床に落ちた。
その音が頭に響いて、頭痛はさらにひどくなる。
耐えることができずに、私はその場に膝をついて倒れ込んだ。
おかしい話だ。医者がまるで、患者のように頭痛に苦しんで...
ナースコールを押して、ナースを呼んだ。
すると、ものすごい勢いでナースが病室に入ってきた。
「医者さん、大丈夫ですか?」
「...私が、何をしているのか分からないんだ......」
「大丈夫です、すべてわたしがなんとかしますから」
「すまない...饕、餮...」
「...トウテツ?わたしはTTですよ、医者さん」
彼女の言葉を最後に、私の意識は途切れた。
途切れたというよりも...外界からの干渉をシャットダウン
してしまったという方が正しいだろうか。
淀んだ思考の中で、考えるのは彼女のこと。
饕餮...饕餮...
私がもっとうまくやっていれば、私が完璧な医者であれば。
私に記憶があれば...彼女は今も生きていたのだろうか。
あの日叩き割った、直線を描く心電図。
そのときの感覚が、今でも手に残っていて気持ち悪い。
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次に目を覚ましたとき、まず視界に写されたのは
病院の真っ白な天井だった。
本当に、まるで患者のようだな...そう考えながら、身体を起こす。
しばらくするとナースが来て、体調について質問された。
頭痛はだいぶ良くなって、思考も明瞭。
それを伝えると、彼女はカルテを差し出してきた。
「ご記入ください」
「...自分のカルテを自分で書けって?」
「そうです、医者はあなただけですので」
カルテを受け取り、自分の体調について記入した。
おかしな光景だ。それもこれも、この病院から出られないせい。
それと、医者が私しかいないせいだ。
まったく...困るものだ、人手不足というものは。
そう考えていると、正面玄関のチャイムが鳴った。
「わたしが出ます」
「ああ、じゃあ私は...パソコン持ってくるから、ここから球体ロボを操作しよう」
「ご無理はなさらず。そしてこれがパソコンです」
「仕事が早いな」
パソコンを立ち上げて、球体ロボの操作画面にアクセスする。
操作は問題なさそうだ。そのまま操縦をして、
応接のために部屋を出たナースの背後に、ふわふわと浮かぶ形でついて行く。
正面玄関、扉越しにナースが要件を聞いた。
すると、聞こえてきたのは若い男性の声。
「こんにちは、私は黒井針一。
月刊『宇多宇奇譚』の記者です。取材は宜しいでしょうか?」
「取材?どうしますか?医者さん」
『少し詳しく話を聞いてくれ』
球体ロボから、マイク機能を使って声を通す。
ナースは頷いて、怪しい記者から取材の詳細を聞いた。
「この病院は、素晴らしい医療を提供していると聞きます。
ですが、それと同時に...怪しい噂もあると」
「怪しい噂、ですか?」
「はい、患者が複数失踪。それと、不審死が多いと聞きましたが」
記者の言葉を聞いて、私は冷や汗を出した。
まずい...詳しく調べられれば、この病院の不祥事は丸裸にされる。
この記者を、病院内に入れるわけにはいかない。
『TTくん、彼を通すわけにはいかない』
「申し訳ございません。当院の医師が、取材を拒否しています」
「そうですか、それは後ろめたいことがあるということで?」
『...!』
「あるんですよ、貴方がたがやっていたことの証拠が」
普通に考えれば、ただのカマかけ。
だが不気味に笑う記者の言葉が、嘘とは思えなかった。
こんなに恐怖を感じたのは、いつぶりだろうか。
何がおかしいのか、記者はずっと声を出して笑っている...
その様子に、私は恐ろしくなってしまった。
このまま彼を返せば、どうなってしまうのだろうか。
記事にすべて書かれてしまうのだろうか。
なら、取材を許可して病院内で殺害するほか無いか...
『...わかった、取材を許可しよう』
「医者さん、いいのですか?」
『これしか方法がないんだ』
「...そうですか。記者の方、医師から取材の許可がおりました」
ナースが正面玄関の戸を開くと、そこに立っていたのは
大体私と同年代ほどに見える男性だった。
黒いスーツをきっちりと着込んでおり、
ハーフリムの眼鏡がよく似合う、センター分けで黒髪。
黒井針一という男性は、見た目だけ見ればごく普通だった。
だが、形容し難い...言葉にできない気持ち悪さが拭えない。
貼り付けたような笑みからは、本心が読み取れない。
「どうも始めましてドクター。おや、生身の方はどちらにいらっしゃるんです?」
『...!?君は、なぜそれを』
「おっと、音声が乱れているようですよ」
またもや記者は、声を立てて笑った。
当院の患者ですら知らないことを、彼がなぜ知っているのか。
気味が悪くて、吐き気がした。
「あなたはなんなんですか?なぜ医者さんのことを?」
「...彼とは面識があるんですよ。そうですよね?」
『な、何を言っているんだい?私と君は、初対面...の、はず』
瞬間、頭が激しく痛んだ。
ああ...会ったことが、あるのかもしれない。
私が忘れてしまっているだけで、面識があるのかもしれない。
その時だった。球体ロボの充電が切れたようで、
急に中継映像がパソコンに流れなくなってしまった。
だが、充電はしておいたはずだ。
そんなにすぐ切れるとは考えにくい。
...嫌な予感がした私は、ナースコールに手を伸ばした。
呼び出し音が鳴ったが、ナースはやって来ない。
普段なら、驚くほどの速さでやってくるのに、だ。
「失礼します、お医者さん」
「...!君は、なんでここを」
「難しいことを言いますね...記者の勘ですよ」
嫌な予感は、どうやら的中したらしい。
扉を開けて入ってきたのは、あの記者だった。
彼がここまで来たということは、ナースに何かあったということ。
彼女も、ちゃんと充電をさせておいていたはずなのだが...
ただ、今彼女が動けない状態にあるということは確かだ。
「黒井くん...だったかい。うちのナースはどうしたんだ?」
「彼女なら、急に動かなくなってしまいましたよ」
「充電はしっかりしていた。君が何かしたんだろう」
「人聞きが悪いですね...本当に」
そう言って微笑む彼の顔から、目が離せなかった。
どこかで、会ったことがあるような。
なにか、懐かしいような感覚。
思い出そうとしても、何ひとつ思い出すことができなくて、
それでも...この記者のことを、知っているような気がした。
「...君は、記憶を失う前の私を...知っているのかい?」
「もちろん」
ちょっと怪しい終わり方。
多分クロクは嘘言って誰か先生からかってるだけですこれ