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全ての世界が狂した時 第3話
残り3分
あれから誰とも遭遇してなく、今誰が鬼かも分からない。
「お前…死ねよ」
後ろから声が聞こえて、振り返った時にはもう遅かった。
黒雪が放った鉛が俺の胸に当たる。
時計が指すのは午前2時59分
また…黒雪のせいだ
あいつのせいで、
あいつが、
アイツが…
アイツが全ての元凶なんだ
ふざけんな
ふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんな
「紫雲‼︎俺に撃て‼︎」
誰かの声が聞こえる。
前にいた、そう言っていたラスに引き金を引いたときだった。
鐘が鳴る。
俺が撃った鉛は、時間切れとでも言うように空中で粉々になった。
目の前のラスが何かを叫んでいるように見えるが、何も聞こえない。
何かを必死に訴えるように、俺に向かって手を伸ばしているラスがどんどん薄くなる。
コイツらがいなければ、俺は───
俺はこんなことにならなかったのかもしれないのに。
許せない
こんなところで終わるものか
黒雪───
「お前だけは許さない」
~ラスside~
目が覚める。
手につく砂の感触。
どこか、見覚えのある学校の校庭。
周りにいるのは紫雲以外のさっきまで教室に閉じ込められていたメンバー。
スマホを確認すると、なぜかもう1週間も経っている。
「この学校───」
隣でボソッと黒雪くんが呟いた。
彼の目が大きく見開かれる。
あぁ、そうか。
この学校───
1回目の人生での、高校だ。
「お、俺、また───紫雲を…」
───思い出して…
「君のせいじゃないよ。黒雪くん」
孌朱はボソッと呟いた。
「あの銃で君を鬼にしたのは俺だ。あの時俺が、必死に踏みとどまっていれば紫雲に被害は出なかった」
「けどそれじゃあ孌朱が──」
黒雪くんの声を遮るように、学校のチャイムが鳴り響いた。
早く中に入れとでも言いたげに、勝手に昇降口が開く。
俺たちは、静かに校舎内に足を踏み入れた。
お久しぶりですん