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INCUBO
瞼有り
--- **`注意`** ---
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**癖に理解のある人だけお読みください。**
・BL
・近親相姦(父×息子)
・リバ不可(DIO×ジョルノ固定)
・if世界線(ジョルノがDIOの館で暮らしてます)
・キャラ崩壊アリ
・解釈違いアリ
・本編との時系列が混沌としている恐れアリ
・**未完成**
・**随時更新予定(怠惰)**
夜はすでに、屋敷のあらゆる部屋を自分のものにしていた。
厚いカーテンの向こうでは月が雲に覆われ、庭園に植えられた木々も、昼間には鮮やかな緑を湛えていた葉をすっかり闇に預けて、ただ時折、どこからともなく吹き抜けてゆく冷たい風に枝を揺らしているばかりであった。
広大な屋敷にはいくつもの部屋があり、そのそれぞれに眠る者、あるいは眠らずに夜を過ごす者がいるはずなのだが、深夜というものは人間の存在をひどく曖昧にしてしまうらしい。長い廊下に並ぶ燭台の炎が一つ、また一つと消えてゆくにつれて、そこは次第に、何十人もの人間が暮らしている家というよりも、何年も前から人の足音を忘れてしまった古い城のような静けさに沈んでいった。
その静けさの中で、ジョルノだけが眠りながらに苦しんでいた。
夢の中で、彼はまだ幼かった。
今よりもずっと小さく、世界というものが自分の手の届かないところにあることを理解するには幼すぎた。それでいて、自分が誰かに愛されることを当然の権利として期待するには、あまりにも早く大人の冷たさを知ってしまった頃の姿で、暗い部屋の隅に身を縮めていた。
母親はそこにいなかった。彼女は夜になると家を空けることがあり、幼いジョルノがどれほど小さな声でその名を呼ぼうとも、閉ざされた扉の向こうから返ってくるものはなく、やがて彼は、待つという行為そのものを諦めることを覚えていったのである。
そして、母親がいないことによって生まれた空白を埋めるように、別の男の存在が彼の夢の中の幼少期へ入り込んだ。
家の中に響く荒々しい足音、機嫌の悪い声、何かを言う前に相手の表情を読み取ろうとする癖──それらは一つ一つが小さな記憶として彼の中へ沈み、長い年月をかけて泥の底に埋もれていったはずだった。
しかし夢というものは、過去を過去として扱うほど親切ではない。眠りの中では何年という歳月さえ一瞬で剥ぎ取られ、かつての恐怖は古びることも色褪せることもなく、昨日の出来事であったかのように鮮明な輪郭を取り戻してしまう。
場面が変われば、今度はかつての通学路だった。
ふと、背後から聞こえる笑い声があった。自分の名前を呼ぶ声があり、それが決して親しみから発せられたものではないことを、幼いジョルノはすでに知っていた。視線を向ければ、何人かの少年たちがこちらを見て笑っており、何を言われているのかを聞き取るより先に、ジョルノの身体がその意味を理解していた。肩を縮め、目を逸らし、なるべくそこに存在していないように振る舞う──そうしていれば、いつか嵐が過ぎ去ると信じるしかなかったのだ。
だが、夢の中では、嵐は安易には過ぎ去らない。
暗い部屋と、閉ざされた扉と、荒い足音と、遠くから聞こえる笑い声が、いつしか一つの景色に溶け合い、どこにも逃げ道のない巨大な迷宮のようになって、幼い彼を四方から取り囲んでいた。どれほど走っても同じ場所へ戻ってきてしまい、どれほど声を上げても、その声は壁に吸い込まれて消えてしまう。
そして、ようやく自分を呼ぶ声が聞こえたと思った瞬間、それはいつか聞いた怒声へと変わり──
「……っ!」
ジョルノの身体が大きく跳ねた。閉じていた瞼の裏に残っていた暗闇を振り払うように目を開けると、そこには見慣れた天井があったが、夢と現実の境目は、まだ完全には消えてはくれない。胸は激しく上下し、心臓はまるで狭い檻の中へ閉じ込められた獣のように乱暴な鼓動を繰り返している。額から流れた汗がこめかみを伝い、湿った金色の髪を頬へ張りつかせていた。
「……っ……ハァ……ハァ……!!」
ジョルノはそこでようやく、自分のベッドの脇に誰かが立っていることに気づいた。
その正体はジョルノの父であるDIOだと一目で理解できた。。
夜の静けさの中に立つ彼の姿は、昼間に見るそれとはどこか異なっていた。吸血鬼であるDIOにとって夜は活動するための時間であり、人間たちが眠りへ沈んでゆくほど、彼の存在だけがこの世界の中で鮮明になってゆくように思われる。部屋の明かりに照らされた金髪は淡い銀色を帯びながらも、その奥にはなお黄金の色が残っており、暗闇の中にあって、それはまるで夜の底へ沈みきることを拒んでいる小さな炎のようだった。
「ハルノ……随分と魘されていたようだな」
その声を聞いて、ジョルノはほんの少しだけ目を伏せた。
「……いえ……少し、悪い夢を見ただけ、です……」
そう答えたものの、声にはまだ夢の名残があった。
そのことから目を背けるように、ジョルノはそれ以上何も言わず、ベッド脇へ手を伸ばした。指先が水の入ったグラスに触れ、それを持ち上げると、冷たい水を一口、また一口と喉へ流し込んでゆく。水はジョルノの乾いた喉を潤せるほどに冷たかったが、夢の中から持ち帰ってしまった熱だけは、なかなか身体から去ってくれない。彼はグラスを置き、胸元へ手を当てた。そこではまだ心臓が早鐘のように鳴っていた。
ジョルノはグラスの底に僅かに残っていた水を飲み干すと、空になったそれをベッド脇の卓上へ戻した。指先から力が抜けるにつれて、ようやく自分の身体がひどく汗ばんでいることに気がつく。
寝衣は背中から胸元にかけて肌へ張りつき、首筋には細い汗の筋が幾つも残っていて、金色の髪さえ額や頬へ湿り気を帯びてまとわりついている。夢の中であれほど身体を強張らせていたのだから当然なのだろうが、こうして目を覚ましてしまえば、その汗は恐怖の名残というより、ただひたすら不快なものとして意識されるばかりだった。
ジョルノは自分の胸元へ視線を落とした。先ほどまで激しく打ち鳴らされていた心臓は、まだ普段より幾分速いものの、ようやく本来の調子を取り戻しつつある。けれど、身体の表面に残った熱だけは容易に消えてくれそうになかった。肌に薄い膜を張ったような汗の感触が妙に気になり、寝具へ戻ることさえ躊躇われる。
風呂に入ろう。
それが一番いいような気がした。
湯に浸かれば、この嫌な汗も落ちるだろうし、身体にまとわりついている夢の残滓まで、温かな水と共に流れてしまうかもしれない。少なくとも、このままベッドへ横になって再び眠ろうとするよりはよほど気が楽である。
ジョルノはゆっくりと上体を起こした。
「……少し、風呂に入ってきます」
まだ掠れた声ではあったが、今度は先ほどよりも落ち着いていた。
そう言ってベッドから降りようとしたところで、DIOが顔を上げた。
「ならば私も入ろう」
「……は?」
思いもよらぬ言葉だった。
ジョルノは片足を床へ下ろした姿勢のまま、しばらく父親を見つめた。DIOはそれが何か奇妙なことでもあるのかと言わんばかりに、いつもの悠然とした表情をしている。
「ぼくはもう子供じゃあ無いんですよ」
思わずそう返したその言葉には、呆れとも抗議ともつかない響きが混じっていた。
もちろんジョルノ自身、DIOが何を考えてそんなことを言ったのか、完全に理解していたわけではない。ただ、深夜にいつの間にか自分の部屋へ現れ、悪夢から覚めたばかりの息子に対して、まるで当然の決定事項でも告げるような顔で「私も風呂に入ろう」と言ってのけるあたり、いかにもパードレらしいと思った。
「別に、何も問題はないだろう」
DIOは平然としており、こちらが何か言い返したところで結論が変わるとは到底思えない、妙な確信があった。
ジョルノは黙り込んだ。
父親のこういうところは、昔から──いや、昔というほど長い時間を共に過ごしてきたわけではないにせよ、少なくともこの屋敷で暮らすようになってから、何度となく見てきた。DIOは一度そうすると決めたことについて、他人が反対したからといって簡単に取り下げるような性格ではない。むしろ反対されればされるほど、その意思を変えないことさえある。父親譲りなのか、それはジョルノの性格も同じであったが、恐らく、自分がここで「嫌です」と言ったとしても、DIOは何か別の理屈を持ち出して、結局はついてくるのだろう。
そう考えると、抗議すること自体がひどく無駄に思えてくる。
「……分かりました」
ジョルノは小さく息を吐き、渋々ながらそう答える。
するとDIOは、ほんの僅かに目を細めた。満足したとでも言いたげな、いかにも彼らしい表情だった。その顔を見て、やはり言わなければよかったかもしれない、とジョルノは少しだけ思った。
DIOが風呂へ向かうことを決めると、その命令はほどなくして屋敷の奥──執事へと伝わった。
このような時刻に呼び出されることについて、テレンス・T・ダービーは特別、何か不満を口にするような男ではなかったが、それでも、夜がすでに人間の活動する時間をとうに通り過ぎ、屋敷全体が眠りの底へ沈もうとしている最中に、「風呂の用意をしろ」と主人から申しつけられたときばかりは、ほんの一瞬だけ、何ともいえない怪訝な表情を浮かべた。
しかし、それも本当に一瞬のことであった。次の瞬間には、いつもの穏やかな微笑みが、まるで最初からそこにあったもののように彼の顔へ戻っている。
「かしこまりました、DIO様。すぐにご用意いたします」
そう言って一礼すると、テレンスは何事もなかったかのように廊下の向こうへ姿を消していった。
その背中を見送りながら、ジョルノは何となく妙な気分になった。
去り際、テレンスが自分たちを見ていたような気がしたのである。
それは主人とその息子を眺める使用人の目というより、どこか微笑ましいものを目にした人間のそれに近かった。ほんの僅かに目尻の下がった、温かな視線──そう思ったのは、もしかするとジョルノの気のせいだったのかもしれない。しかし、もし本当にそうだったのだとしたら、何がそんなに微笑ましかったのだろう。ジョルノには、それが今ひとつ分からなかった。
やがて二人が浴室へ向かう頃には、屋敷の静けさは先ほどよりもいっそう深くなっていた。長い廊下には足音だけが細く響き、それさえも壁や天井に吸い込まれてしまえば、後には何事もなかったかのような沈黙が残る。夜の屋敷というものは昼間とはまるで別の生き物で、昼には隠されていた広さや古さが、こうした時間になると、より一層姿を現すのであった。
浴室へ続く脱衣所もまた、一般的な家のそれを想像すれば、そのあまりの広さに少しばかり驚かされるような造りになっている。高い天井、磨かれた床、壁際に整然と並べられた調度品、そのどれもが必要以上に大きく、必要以上に立派である。DIOの館という場所は、住む人間が何人いるかなどという現実的な尺度ではなく、そこに住む者の権威そのものを基準にして造られているようなところがある。
ジョルノは脱衣所へ入ると、そこで一度足を止めた。
何となく落ち着かない。さきほどまで悪夢に魘されていたせいなのか、それとも、隣にいるのが他ならぬ|父《DIO》だからなのか、自分でもはっきりとは分からなかった。ただ、普段ならさほど意識することもないはずの自分の身なりが、今夜に限って妙に気になった。
ジョルノは何も言わず、DIOへ背を向け、少しばかり急ぐようにして身支度を整え始める。背中越しに、父親の気配がある。それだけのことなのに、どうにも妙な感覚があった。
もう子供ではないと、先ほど自分でそう言ったばかりなのだから、なおさらである。
にもかかわらず、こうしてDIOと二人きりで夜の脱衣所に立っていると、自分が何歳なのか、そのことさえ一瞬だけ分からなくなるような気がした。幼い頃の自分と、今の自分とが、長い年月を隔てて同じ場所へ重なってしまったような、奇妙な錯覚である。ジョルノはその感覚を振り払うように、僅かに顔を伏せた。先ほどの悪夢の名残はまだ完全には消えておらず、額や首筋には、先程までの激しい寝苦しさの名残が残っていて、衣服もすっかり心地よいものではなくなっていた。
早く湯へ浸かってしまいたい──そう思う一方で、隣に立つDIOの存在が、どうにも意識の端から離れてくれない。静かな脱衣所には、水の音さえまだ聞こえなかった。ただ、二人分の気配だけが、広すぎる部屋の中にあり、その静けさがジョルノをいたたまれない気持ちにさせた。
広い場所というものは、本来ならば人を自由にするはずなのに、夜のこの屋敷では、むしろ反対に、自分の立場を明確にさせる。天井が高ければ高いほど、自分の立てる小さな物音が際立ち、部屋が広ければ広いほど、そこにいる者の数が少ないことが分かってしまう。ジョルノはふと、そんなことを考えた。
ジョルノが、背後にある父親の気配を意識しながら身支度を整えていた、そのときであった。
何の前触れもなく、横から伸びてきたDIOの手が、彼の脇腹をむんずと掴んだ。
「ひぁっ!?///」
思わず、普段のジョルノからは到底想像できないような声が喉から飛び出した。
身体がびくりと跳ね、ジョルノは反射的に振り返る。そこには、いつものように泰然とした顔をしているDIOが立っていた。まるで今しがた息子を驚かせたことなど、本人にとっては取るに足らない出来事でしかないとでもいうように、その表情には悪びれた様子が少しもない。
「と、父さん……!?」
驚きのあまり、ジョルノの声が僅かに裏返った。
顔へ熱が集まってゆくのが自分でも分かる。先ほどまで悪夢に魘されていたせいで汗ばんでいた身体とは別の理由で、今度は頬が熱くなっていた。いったい何をするつもりなのかと身構えたジョルノに対し、DIOはそんな息子の反応など意に介することもなく、掴んだ手を離すと、むしろ何かを確かめるような顔で彼を眺めた。
「相変わらず薄いな。もっと食え」
あまりにも唐突であった。
ジョルノは一瞬、何を言われたのか理解できずにDIOの顔を見つめ、それからようやく言葉の意味を飲み込むと、呆れと困惑の入り混じった表情を浮かべた。
「い、いきなり触らないでください!」
抗議の声には、先ほどの寝起きの弱々しさなどもう残っていなかった。
DIOはというと、そんな息子の抗議を聞いても特に気にした様子はなく、ただ僅かに口元を緩めている。その顔が妙に満足そうに見えたものだから、ジョルノはますます居心地が悪くなり、これ以上ここに留まっていれば、また何か余計なことをされるのではないかという半ば根拠のない警戒心まで抱くようになった。
そもそも、こちらが何かを言うたびに素直に引き下がるような父親ではないのだ。それはもう、十分に分かっている。だからこそジョルノは、これ以上の言葉を重ねることを諦めた。
ジョルノはDIOの脇をすり抜けるようにして浴室へ向かった。いささか逃げるような足取りになってしまったのは自分でも分かっていたが、今さら取り繕う気にもなれなかった。磨き上げられた床を急ぎ足で進み、扉へ手を掛ける。その背中には、先ほどまでの悪夢とはまた別種の落ち着かなさがまとわりついていた。
そして扉の向こうへ姿を消す直前、ジョルノは一度だけ振り返った。
DIOは、まだそこに立っており、その顔には、どこか機嫌のよさそうな笑みが浮かんでいる。
「……なにがしたいんだ……」
小さくそうこぼし、ジョルノは今度こそ浴室へ逃げ込んだ。閉じた扉の向こうで、ようやく一人になった彼は、火照った頬を冷ますように小さく息を吐いた。それでも胸の奥には、先ほどまでとは違う穏やかな鼓動が残っていた。
浴室へ入ったジョルノは、扉を閉めると、ようやく小さく息を吐いた。
湯気の立ちこめる広い浴室には、まだ誰の姿もなく、白い石造りの壁や床が柔らかな照明を受けて淡く輝いていた。蛇口を捻ると、ほどなくしてシャワーから細かな水が降り始め、その音が静かな浴室いっぱいへ広がってゆく。一定の間隔で落ちてくる水滴の音は、先ほどまで耳の奥にこびりついていた夢の断片を少しずつ押し流してくれるようであった。
ジョルノはその下へ立ち、熱すぎない湯を頭から浴びた。濡れた髪から水が流れ、額を伝い、頬を滑り落ちてゆく。つい先ほどまで身体にまとわりついていた汗も、衣服の不快な感触も、次第に温かな水の中へ溶けて消えていった。目を閉じれば、ただ水の音だけが聞こえる。
それで少しは気持ちが落ち着くかと思ったが、そう簡単にはいかなかった。
目を閉じた途端、夢の中で見たものが、薄暗い水底から浮かび上がるようにして脳裏へ蘇ってくる。幼い自分が一人でいる暗い部屋、閉ざされた扉、その向こうから聞こえる足音、そして、どれほど待っても誰も迎えに来なかった夜。それらはもう過ぎ去った年月の向こう側へ置き去りにしたはずのものだったのに、夢というものは時間の流れを知らないらしく、何年も前の記憶を昨日の出来事と同じ鮮やかさで引きずり出してくる。
ジョルノは目を開けた。そして、別の意味で忘れたいことが、今度は頭の中へ浮かんだ。
先ほどのDIOのことだ。何の前触れもなく脇腹を掴まれたこと。驚いてあられもない声を上げてしまったこと。そして、まるで何でもないことのように「もっと食え」と言われたこと。思い出すと、また頬が少し熱くなる。
「………」
ジョルノは何も考えまいとするように、シャワーの温度を僅かに上げた。
今は、とにかく頭を空っぽにしたかった。悪夢も、昔のことも、先ほどの父親のことも、いったん全部忘れてしまいたい。温かな湯に身体を預けてしまえば、眠りの底から持ち帰ってしまった嫌な感覚も、そのうち洗い流されてしまうような気がした。
しかし、その願いは長く続かなかった。
ふと、背後に人の気配がし、ジョルノが振り返るより先に、聞き慣れた声が浴室の静けさへ落ちた。
「俺が洗ってやろう」
ジョルノは驚いて振り返った。
そこには、いつの間に入ってきたのか、DIOが立っていた。
ジョルノはしばらく言葉を失ったあと、ようやく我に返ったように口を開いた。
「別に、これくらいできますよ」
当然のことを言ったつもりだった。実際、髪を洗うことくらい、自分一人で何の問題もなくできる。ジョルノはもう15だ。わざわざ誰かの手を借りるようなことではない。それが父親であったとしても、話は同じだった。
けれど、DIOはその言葉を聞いても、さほど気に留めた様子を見せなかった。
結局のところ、ジョルノが自分で洗うのか、それともDIOに任せるのかという問題は、ジョルノが思っていたほど大きな問題ではなかったらしい。
しばらくして、ジョルノの髪にはDIOの手が触れていた。
温かな湯に濡れた金色の髪を、DIOがゆっくりと洗ってゆく。
指が髪の間を通るたび、水滴が細い筋となって額から頬へ流れ落ち、その一つ一つが浴室の明かりを拾って淡く光った。先ほどまで乱れていた呼吸も、いつの間にか少しずつ穏やかになっている。
ジョルノは何も言わなかった。ただ、シャワーから落ち続ける水の音を聞きながら、されるがままになっていた。
奇妙な夜だ。悪夢に叩き起こされ、汗にまみれたまま目を覚まし、そこにいた父親に風呂へ連れてこられ、挙げ句の果てには、自分一人でもできることをこうして任せている。
けれど、不思議なことに、その一連の出来事を思い返しても、先ほどまで胸の奥に巣くっていた不安は、いつの間にかその姿を薄くしていた。
メモ
【ジョルノbo】
⇩
【DIO】
口調がわかんないンゴねぇ