公開中
血の滴るお茶会
ぽかぽか陽だまりの小さな森の奥。
カラフルなキノコとふわふわした苔が笑っているみたいに揺れている。
そこには、小さな魔女たちが集まって、ひとつのテーブルを囲んでいた。
「今日は特別なお茶会だよ!」
くるくるかわいい縦ロールのミミは、ぴかぴか光る目を輝かせて言った。
テーブルの上には、可愛い小瓶やケーキが並んでいる。
でも、そのケーキは、ふつうのケーキじゃなかった。
血のように赤いジャムがじゅわっと溢れていて、カリカリの飴細工の形は骨のように見えた。
「わあ、ミミのお茶会っていつもワクワクするね!」
にこにこ笑うルルも、ひと口ケーキを食べた。
でも、その瞬間、ルルの瞳が一瞬、真っ黒になった。
そして、甘いケーキの中から、針のように尖った小さな棘のような物が口の中に刺さった。
「えっ、痛ッ…?」
ルルは泣き顔でテーブルを見た。
ミミはにっこり笑って言った。
「だって、魔女の森のお菓子は甘くて、ちょっと怖いんだ!だってそれが、魔法でできてるんだもん!」
ふわふわの花びらがひらひらと舞いながら、森の中に不気味な囁きが響く。
「このお茶会、終わったらみんな変わっちゃうんだ…」
その夜、森の子たちは笑いながら眠りについた。
でも朝になると、みんなの影はゆらゆら、どこか変な形に。歪に。ゆがんでいた。