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1話 運命とは言えないようなナニカ
ゆずれもん
凍えてしまうような寒さの厳しい日
止むことを知らないというように降る雪
降り積もる雪の中、裏路地に少女が1人
その少女に近づく道化師のような姿をした男
「ねぇ、君名前は?」
道化師のような男は言う
「わ…な、い」
少女の言葉は途切れ途切れだった
「わ、私の名前無い、と思う」
『名前が無い』この世界ではおかしなこと
親が決めるわけではない
生まれた時に聞いた、見たものの名前をつける
「じゃあ、君の名前はスノーウィー、なんてどうだろう?」
「スノーウィー?って何?」
少女もといスノーウィーは言う
「雪って意味かな、今日の雪は止まなそうだし、僕の名前はオペラ」
オペラはマントを翻して言う、よく見れば道化師と似ているようで少し違う服装だ
「オペラの名前は何が元なの?」
少し悩んでオペラが言う
「オペラってお菓子があるんだけど知ってる?、すごく美味しいんだ」
「オペラ、食べてみたいな」
「うーん、じゃあ食べに行こっか」
にっこりと音がつきそうな顔で笑うオペラ
「うん!食べたい!」
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シャンデリアがきらびやかに迎えるお店
自分好みの場所のようでスノーウィーはとても嬉しそうにしている
「オペラ、さんも食べますか?」
「食べようかな」
店員が綺麗に装飾のされたお皿にのせて
オペラを運んでくる
「すっごく、美味しそう」
目を輝かせてスノーウィーは言う
「分かる笑すっごく綺麗でうっとりするよね」
くすりと笑う
あまりの美味しさにすぐに食べてしまったスノーウィー
「オペラさんはどうして私に声をかけたんですか」
「うーん、人を助けるのに理由っているのかな」
『人を助ける理由は要らない』
その言葉を聞いた途端、
スノーウィーは目に涙を浮かべた
スノーウィーの住んでいた場所では誰も助けてはくれず、事情も聞いてくれない
「え、あ、ごめん、何も知らないくせして」
「違う、違うんです、嬉しいんです誰も助けてくれないことが当たり前だったから」
「もし、良ければだけど教えてもらってもいい?君のこと」
「助けてもらったうえに、こんな美味しいお菓子もご馳走してもらったので話すしかないですよ」
週一投稿頑張ります、なるべく
千文字いくかいかないかぐらいで頑張ります