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20:なんとか生存
ジリジリそわそわ待っているうちにタイマーが鳴った。
「隣と交換だからな。もちろん不正したらどうなるか……分かってるな?」
流石に分かっている。みーんなの前で晒されてからお母様にご連絡するんですよね。分かってますよ!流石にね、そんなことしないから!というか出来ないんだな、これが。
ということで隣の席の男子に紙を渡す。
「ほい。これ俺のな。」
こいつは田中である。すごーく、すごーくお馬鹿でお調子もので単純なのでたぶん10点ぐらいだろう。その分体育だけは得意なのだ。だけは。
あ、やっぱりそうだった。今回は20点。田中用基準で普通である。デフレしてるね。
……で!?そんなことはどうでもいいから私(たち)の点数は!?せめて80点以上でありますように。
「ま、マジかよ。佐藤、100点だった!」
「え、佐藤が?」
失礼な。確かに私だけだと100点を取れないけど!そんなの私が1番分かってるよ!
それよりも田中、君の方がやばいだろ。先生がボーナスで簡単にした最初のテストですら赤点だから、田中氏。
……私は数学しか赤点なってません。数学だけだからね!
ありがとう、ありがとうヒメさん……お礼してもしきれません。100点とったことを報告すれば私のハー○ンダッツも取り上げられないでしょう。前例があるから本当に怖かった。せっかくもらったハー○ンダッツ……となったことが何度あったことか。
「あ、あぁいえいえ!わたしこそナツキさんのお役に立てて嬉しいです。」
心が暖かくなるとはまさにこのことだろうね。すきすきだいすきやっぱすき。ヒメさん愛してる!
その後は説明文みたいなやつを読んだ。プリントにまとめるだけだったので楽チンである。
ただ、まとめたやつを先生が読むらしい。やってるフリしてサボれないじゃんこのシステムマジ廃れろ……!
となりましたが心強い味方、ヒメさんがやってくれたので私は半分寝てました。正直に言うと半分じゃないわ。90%くらい寝てました。ヒメさんとは今後もいい関係を築いていきたいね、うん。損得勘定じゃないからね。うん。本当ですからね。トラストミー。ウィーアーフレンズ。
2時間目、体育の授業。
ここで明らかになる、ヒメさんの弱点。
なんとなーくそんな気はしてた。公園歩く時に結構バテてたしそんな気はしてた。ヒメさんだって完璧人間じゃないよねということですよ。
「お、お待ちくださいみなさん……。待ってください!」
ヒメさん、運動苦手なタイプだわ。