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お正月の思い出
「お参り完了っ!」
私は大学時代の友達2人と一緒に、近所の神社で初詣中である。
「おみくじ引いてく?」
「引く!!」
毎年恒例のおみくじ。
今年は何が出るのだろうかと、期待に胸を膨らませた。
「大吉!」
「小吉か。」
「〇〇は〜?」
友達2人はそこそこ良いのを引き当てていた。
「私はね〜、ん?」
私が引いたおみくじには、大凶の文字。
「あ〜」
「これはこれは!?」
マジか、と思った。
「そーゆーときもあるよ!」
おい、他人事だと思って!!
わざと起こった顔をし、アハハハハとわらいあった。
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その頃、初老の男性が彼女たちの様子を見ていた。
「今年の大凶はあの子か。」
初老の男性は悪魔のように、もしくは死神のようにニヤリと笑った。
「たんまり吸い取れそうだな。幸せを。」
大凶を引いてから良いことばかりが起こるようになった。
今頃悪魔のたぐいは悔しがっているだろうな。
私はね、貧乏神なのよ?不幸なことなんて毎日起こってた。
今までが大大大凶だったなら、大凶って大当たりじゃん!