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紫と駆ける
人生で、初めて書くので期待しないでください。
青年は見た。
この暗さから、想像もできないほどの美しさを。青年は、その美しさに目を奪われた。青年は震えた。声が出なかった。
「涼太、いくよー。ちょっと早くして。」
「あー、うん。わかった。母さん、今行くよ。」
「こんなプラネタリウムで、時間取ってたらお野菜売れ切れちゃうでしょ。」
そう、涼太こと俺はプラネタリウムに来ていたのだ。
「で、涼太は何を見てたの?」
「なにって、星しかないじゃん」
「あんなに黙ってる涼太初めて見たよ?」
そんなに長い間黙ってたか?
「そりゃ、あの集中できない涼太が十分も黙っていたからね」
「あれ?声に出してた?」
「え?うん。今日の涼太、ちょっとおかしいわよ」
俺は紫を見たんだ。あれが、プラネタリウムの映像なのかなんなのか……
また明日来て確かめてみるか…………
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「涼太、おはよ」
「あぁ、理沙か」
「昨日プラネタリウム行ったんだって?涼太のお母さんから聞いたよ〜。どうだった?」
「紫が見えた」
「紫?」
「紫だ」
「涼太もう一回、色覚検査受けた方がいいんじゃない?」
理沙は笑いながら言う
「ほんとに紫だったんだって!」
「あー、はいはい。わかったよ」
「絶対信じてないだろ」
俺自信、プラネタリウムに紫があるわけないと思っている……
「いや、絶対紫だ」
「ん?なんか行った?」
「理沙には関係ねぇよ」
「酷いなぁ、そんなんだからモテないんでしょ。ほら早く教室いくよ」
「それとこれは関係ないだろ……」
俺は少し機嫌悪そうに教室に向かう。