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僕たちは何度でも。
「ぅわっ!」
「ちょ、大丈夫?」
馬から降りた途端、僕はフサフサの尻尾に顔をはたかれた。
「急いで!」
7匹の馬を置いたまま、今にも崩れそうなつり橋を渡る。
『貴方達は、永遠に生きる者』
そう言った彼女は、並外れた才能と頭脳を持ち合わせる人だった。けれど、永遠に生きる者ではない。
『この世界は、いずれ破滅する。その時、私は生きていない』
エリスは「その時」のために、死ぬ直前まで、ずっと動き続けていた。馬の乗り方から、この崖の儀式に至るまで、すべてを僕らに教え込んで。
エリスの予言は本当となった。何千年生きたか分からないけれど、この時のために僕らは生きていたんだ。
シリウス。
カノープス。
フォーマルハウト。
レグルス。
リゲル。
カペラ。
スピカ。
僕らは7人。
エリスがくれたこの名前も、夜空に輝く星と同じ。永遠に見えて、終わりがある。
『貴方達に、私の愛する地球を託す』
「ここ!」
険しい崖の上に、淡い光が浮かんでいた。
息を切らしながら登れば、ほんのりと光る黒い石と、その周りを囲うようにはめ込まれた7つの石があった。
「一人ずつ、やろう」
シリウスの言葉に、皆が頷く。
彼が白い石に触れると、石はゆっくりと温かな光を放ち始めた。シリウスがこちらを振り返り、力強く頷く。
カノープスは赤い石に。
フォーマルハウトは黄色い石に。
レグルスは緑の石に。
僕──リゲルは青色の石に。
カペラは水色の石に、そっと触れる。
最後、スピカが石に触れるのを、皆が待った。
「手をつないで。わたしが触れる前に」
スピカの言われたとおりに、手を繋ぐ。自分の右手が微かに熱を帯びるのが分かる。
順番に手をつないだのを確認したスピカは、空いている右手でそっと石を撫でた。
ふわりと光を放ち、やがて、中央の黒い石が光る。その光は空までのぼり、膨れ上がり、弾ける。
宙に放り出された僕たちは、しっかりと手を繋いだまま、光に呑まれていく。
「リゲル」
カペラの声が聞こえた気がした。
愛する人。
大切な仲間。
そして、僕らを導いてくれた師。
記憶がなかったとしても、絶対に見つけてみせる。
呪いを解かれた僕らは、死ぬ。
怖くはない。僕たちは何度でも生まれ変わるのだから。
読んでいただきありがとうございました!