公開中
賢木
「せんせー、聞いてくださいよ」
馴れ馴れしくて鬱陶しい口調。甘ったるい。名前は忘れた、友子の取り巻きの1人がホームルーム後に挙手する。
「どうした?」
男性教師が言う。担任はあの時と同じタイプの奴。
「阿部さんが」
面倒くさい。
たかが都市伝説。いや、都市伝説にも満たないモノに、先生を巻き込もうとする。その論理がどうなっているのかわからない。ただ、大きな人を味方につけたい。先生がそうだと言ったら、お前は間違っている。そういうことを言いたいんだろう。
わたし1人、対、大勢のみんな。この構図は、1年前と同じものだった。
---
ホームルームが終わったあと、個別で話を聞くと言って授業が始まった。女子は納得がいかなさそうだったけれど、多少は良い判断のはずだ。
今日の昼休みも、相変わらず図書室にいることにした。いつもなら借りたあとは教室へ戻るが、居心地が悪い。図書室にいると決めた。
昼休みが終わってもいたいところだけれど、ここで何かしでかしたら信頼がガタ落ちする。交友関係はどうでもいいが、内申点は確保しなければならない。
残り15分。本を読むことに集中するかと、開く。
「あっ、源さんっ」
やっぱり計画を中止することにした。隣で本を読む源さん。悪く言えばすべての元凶だが、言えない何かがあった。
「源さん…あの…」
ああ、どうしよう。なんて言ったらいいんだろう。貴方のせいで、仲間はずれになってしまいそうです。そんなこと言えない。面と向かって貴方が悪いと言えない。
「図書館で会ったことで、なんか仲間はずれみたいにされて…なんでか全くわからなくって…」
「そう。大変ね…まぁ、時間が解決してくれる」
そう言って、再び源さんは本を読み始めた。見捨てるわけでもなく、特別なアドバイスをくれるわけでもなく。ただ、大丈夫だと諭す。その行動を、彼女は取った。でもなんとなく、それが彼女に似合っていう感じがした。
毎週金曜日は終わらねぇ…