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うさぎちゃんと虹の花
うさぎちゃんのお話 また作っちゃいました
森の奥深く、小さくて優しい心を持つうさぎちゃんが住んでいました。ある日、うさぎちゃんは、大好きなライオンくんが絵本を見ながら寂しそうにしているのを見かけました。絵本には、森の一番高い山に咲くという「にじ色の花」が描かれていました。ライオンくんの瞳は、その花への憧れでいっぱいでした。
「ライオンくん、私、その花を探しに行こうか?」
うさぎちゃんは、ライオンくんを喜ばせたくて言いました。ライオンくんは心配しましたが、うさぎちゃんの真っ直ぐな気持ちに感心しました。
出発の日、ライオンくんはうさぎちゃんに、自分のたてがみから抜けた金色の毛を小さな布の袋に入れ、そして地図を渡しました。「不安になったら、この袋を握って僕を思い出してごらん。いつも君のそばにいるよ。地図は安全な道を選んで描いたからね」
山道は遠く、いくつかの分かれ道がありました。うさぎちゃんは地図を頼りに進みます。しかし、ある分かれ道で、うさぎちゃんは少し立ち止まりました。地図はそちらを指していましたが、道はこれまでより少し暗く、木の枝が複雑に絡み合っていました。ほんの少し不安になりましたが、ライオンくんからもらった金色の毛の入った袋を握ると、勇気が湧いてきました。「大丈夫、ライオンくんが安全だって言ってくれた道だもの!」
意を決して暗い道へと足を踏み入れました。ひんやりとした空気に、うさぎちゃんの心臓はちょっぴりドキドキ。それでも地図を信じて進むと、やがて森が開け、まぶしい光が差し込み、美しい花畑が広がっていました。うさぎちゃんはホッと胸をなでおろしました。
何日かかけて、ついにうさぎちゃんは山の頂上にたどり着きました。そこには、光の角度によって色を変える、まさに虹そのもののような花が咲いていました。
「わぁ…!」
うさぎちゃんは感動し、その花をそっと一本摘み取ると、急いでライオンくんの元へと戻りました。
ライオンくんは、うさぎちゃんが無事に帰ってきたことに心から安堵しました。そして、差し出されたにじ色の花を見ると、驚きと感動で顔を輝かせました。
「うさぎちゃん…本当に…! よく頑張ったね。僕の願いはもう叶ったよ。この花を見つけられたことも嬉しいけれど、何よりも、君が僕を思って、こんなにも頑張ってくれたこと、その優しい気持ちが、僕にとって最高の宝物だ。君の勇気と、僕たち二人の強い絆の証だね」
ライオンくんの言葉に、うさぎちゃんの胸は温かい光で満たされました。にじ色の花は、見ると幸せになれると言われていましたが、ライオンくんは、うさぎちゃんの「思い」こそが最高の幸せだと感じてくれたのです。
その日以来、にじ色の花はライオンくんの家に大切に飾られ、森の動物たちは、どんなに小さくても、心を込めた行動は必ず相手に伝わるということを、うさぎちゃんとライオンくんから再び教えてもらったのでした。そして、うさぎちゃんとライオンくんの絆は、にじ色の花のように、ますます深く、色鮮やかなものになっていったのでした。
楽しんでいたただけましたか?