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振り向いたのは一瞬だったので、春野さんはまだ、私の存在に気づいていない。
静かに息を潜めていたら、きっとバレないだろう。こんな場所に私が居るとも思っていないだろうし。
しばらくすると、101号室に連れていってくれた人、受付の男の人、そしてもうひとり、知らない男の人が前に出て、自己紹介をはじめた。
「私は、館長の菅野綾です。部屋で言ったとおり、この林間学校ではあだ名で呼び合うというルールがあります。なので、私のあだ名を考えてくださーい!1週間と短い間ですが、よろしくお願いします」
「じゃあ、すーちゃん先生!」
春野さんが言うと、たまっちや優も同調する。
「すーちゃん先生!歴代でも言われたことなかったわぁ。」
次は私の名前を可愛いと言った少しニガテな男の人…
「はい!大倉湊斗です。実は僕も、中学生の頃に林間学校に来たことがあるんです!大学生になった今でも、特別な思い出なので、恩返しをしに来ました。一生の思い出をつくる手助けをできればいいなと思います。よろしくお願いしまーす!」
熱血陽キャだけど、きっとただただいい人なんだよな…だから、悪口言ってる自分を嫌いにさせてくるタイプ。
「大倉先生?もあだ名つけていいんですかー?」
優が聞くと、
「もちろん!カッコいいあだ名つけて〜」
と早速陽キャぶりを発揮する。
「じゃあ、先生っていうには、年齢近すぎるから、みなにぃとか?」
たまっちがこれまた熱血が言われたい言葉TOP3には入る「兄」という言葉を入れてきた。
それに対して熱血陽キャお兄さんは、
「めっちゃいいじゃん!俺、兄ちゃんしかいないから、そうやって呼ばれるの憧れだったんだよね!」
ほら、やっぱり。
こういう熱血陽キャタイプは大体、なんでも器用にこなす遊び人の兄ちゃんの反面教師で育つんだよ。
次は、お初にお目にかかる穏やかそうな男の人。
「杉野悠瀬です。湊斗に誘われてきました。よろしくお願いします」
言葉数少ない穏やか系は良いやつだって相場で決まってんだ。いや、みなにぃもきっと良いやつなんだけどね。
「みな兄と揃えて、はるにぃ?」
優、穏やか系には兄って刺さんねぇぞきっと。女兄弟の長男で、お兄ちゃんだからって我慢させられてきた人生だぞきっと。
「妹たちにいっつもそう呼ばれてるから、間違えて妹の名前呼んじゃったらごめんね」
さすが長男!いいとも悪いとも言わないで穏やかに微笑む感じ!
私ってきっと心の中読める人が居たら絶対嫌われるタイプだよな…。
ホントは次の回の分も今日の1話にしようと思ってたんですけどね…
私の独断と偏見がお祭り騒ぎを起こしまして…笑
若干れんちゃんがキャラ崩壊おかしてそーですね笑