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鳥の自由
🕊️の住処の捏造をしてます
ゴーゴリはヨコハマのとある廃工場に住み着いている。
それはただしく死の家の鼠に相応しい住処だったし、ゴーゴリの住み方は本当に「住み着いている」と形容したくなるモノだった。
この日もゴーゴリは、もう稼働することのない巨大重機の頂点で食事を摂っていた。ブリキの缶に入ったアイスクリームとコッペパン。パンの容れモノは何処かで盗んできた幼児用コップである。ゴーゴリはこの生活を気に入っていた。
ゴーゴリには貯金がある。銀行に行ってそれをおろせば、このような錆の生えた生活をする必要もなくなる。しかしあえてそれを選択しないというのがゴーゴリの生き方だった。不自由、不愉快を選択することにこそ自由が潜んでいる。異能者というヒト擬きの生きモノではあるが、一応人に生まれたならばこそこの不自由の選択が真の自由意志である。彼はそういう思想の持ち主だった。