最後の一日を、貴方と。（自主企画参加ver.）

「もし、あと一日で世界が終わるならどうする？」 え、どういうこと？｜練磨《れんま》。 「ねぇ。どういうこと？急になに聞くの？」 そう返した。だって世界があと一日で終わるわけがないじゃん。 「本当に終わるんだよ…。」 ねぇ。本当に終わるんだよってなに？ どういうことなの？ 「科学でそう証明されている。これに間違いはないんだ。」 なにそれ。笑っちゃいそう。 「なにそれ？笑っちゃいそうなんだけど。」 そう言うと、 「笑い事じゃないんだよ。お願いだから信じて。」 そういわれた。でもとても信じがたい。 だけど。練磨が言ったことは、ほとんど現実に起こる。 そう。練磨は予言者なのだ。 それも世界的の。 「分かった。練磨を信じるよ。それで？なにをしたいかだって？」 「そうだ。」 そうだなぁ。急に言われても分かんないかなぁ。 ちなみに私と練磨は恋人でもなんでもない。 だって私の片思いだから。 ちなみに練磨とは幼稚園からの付き合いだ。 おそらく練磨は私のこと「ただの幼馴染」って思ってるだろう。 私は練磨に特別な感情をいだいてるっていうのにね。 片思いは小学5年生の秋からだ。 なぜ好きになったのか？そうだなぁ。 あ！思い出した…！ 「えっほえっほえっほ…」 私と練磨は二人三脚のペアだった。 練習が終わった後、ふたりでおしゃべりをしていた。 そしたら急に 「俺、隣のクラスの恵梨香に告白されたんだ…」 と練磨が言ってきた。 そして、返事ができないこと、理由… いろいろなことを話してもらった。 そしたら、急に練磨が優しく見えたんだよね。 「でも、俺ちゃんと言えるように頑張るから。」 この言葉で私の心は練磨に奪われた。 こういうことなの！それで今、大学2年生まで、 ずっっとその気持ちを隠してきたってわけさ。 私、もう世界が一日で終わるんだったら、 __練磨に告白したい…__ でもっ今まで隠してきたんだからこのまま世界が終わるまで隠し通すものなのかな。 もう、どうしたらいいのかわかんない…！ そんな私にとどめを刺したのはある練磨の言葉だった。 「待っててもこないよ！自分で狙いに行くんだ。」 これは3年前、私の親友が好きな人に想いを伝えられるか練磨に相談したときに、 練磨が言った言葉だ。 なんで今頃…。 やっぱり言うしかない。だって世界はあと一日で終わるんだから！ 「私！練磨が好きなの…！小5の時から！だから、 あと一日で世界が終わるんだったら練磨と一日過ごしたい…！」 そう。これが私の主張だ。 もう一か八かだ…！ 「俺もそれを言おうと思ってた。」 えっ！ってことは私たち 「両想いってこと…？」 声に出ていた。嬉しすぎたんだろう。 「ああ。そうだな。」 と練磨。 「じゃあ、私、今日練磨と過ごす！」 と言ったら、 「俺もそれ、言おうと思ってた。」 と返された。 それから、練磨と一日中過ごした。 練磨と映画を見に行って、練磨とカフェに行って、 練磨と…。もう伝えきれない。 その日の夜は練磨と一緒に寝た。 「もう、紗耶香と過ごせたから、俺に悔いはない。」 そういわれたから、 「私も。」 と返した。うぅ。言いたいとこ言われた。 --- もう悔いはありません。 ---