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ドアの向こうは
ピンポーン
クリオネ「あれ、誰もいないんだっけか」
クリオネ(誰だろ?)
クリオネ「はーい」
ミニ「あ、クリオネ?」
クリオネ「ミニか?鍵は?」
ミニ「いやー家に忘れちゃってさ〜」
ミニ「開けてくれない?」
クリオネ「…そういや今日は雨だったが、傘は?」
ミニ「それはちゃんと持って行ったから大丈夫!」
ミニ「だから私濡れてないよ!早く開けて!」
クリオネ「…お前、ミニじゃないな」
ミニ「え?私ミニだよ?」
クリオネ「本物のミニの一人称は『自分』だ」
クリオネ「でもお前は『私』といった」
クリオネ「それが一人称だと思ったのか、元々なのかは知らないが、帰ってくれ」
ミニ?「…」
?「…てよ」
クリオネ「…え?」
?「開けてよ」
?「開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けてねえねえねえねえ」
クリオネ「!」
?「ミニだって!だから、開けてよ。ねえクリオネ」
?「友達じゃんか!ねえねえねえねえねえ!!!」
?「開けろって!!!!!!」
その言葉を最後に、俺は耳を塞いでやり過ごした。
ドアを叩いている振動が伝わってくるのがわかった。
しばらくしてー
ガチャ
クリオネ(!)
クリオネ(アイツが入って来たのか?まずいー)
ミニ「クリオネ?何してんの?」
ドアを叩く音はいつの間にか止んでいた。
クリオネ「…ミニか?本物の…」
ミニ「何言ってんの?自分に偽物なんていないでしょ?」
クリオネ「ー!」
がばっ
ミニ「!?ちょっー」
クリオネ「良かった…本当に…!」
ミニ「?」
ちゃんとミニが帰ってきたのが嬉しくて、その後はずっと一緒にゲームをしていた。
クリオネ「勝った!」
ミニ「また負けたー!」
ミニ「もっかい!」
クリオネ「あ、先風呂入っていいぞ」
ミニ「無視すんな!」
ミニ「今日は人懐っこいと思ったのに…」
クリオネ「なんか言ったか?」
ミニ「い、いやなんでも?」
クリオネ「…フーン」
ミニ「じゃあ先入るから!」
クリオネ「ああ」
でも、考えてしまう
クリオネ「…」
ドアの前にいたアイツは一体何者だったのか?
アイツは今、どこにいるのだろうか?
ミニが帰って来た時…
本当に、アイツはいなくなっていたのだろうか?
もしかして、アイツはー
クリオネ「…いや、まさかな…」
そんな可能性、信じたくない。
…うまくいくと思ったのに。
…次は、キミの家にでも行っちゃおうか?