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1つの選択肢¿?
※この作品には犯罪行為が含まれています
「冬弥助けて!また校門に””あの人””居てさ、怖くて一人じゃ帰れない、!」
下駄箱で靴に履き替えていると息を切らした白石にそう泣きつかれた。あの人__最近白石に付きまとっている神高の生徒の事だ。
「また、か。ここ最近ずっとだな、ライブの時からだったか……」
「そう!でも同じ学校の人だから偶然道が一緒でストーカーしてるとは言いきれないし、ライブ終わったら居なくなってるし……」
「私どうしたらいい、?!」
「落ち着け白石。取り敢えず今日も一緒に向かおう。何かあれば俺や彰人が何とかする。」
「うぅ〜、頼もしいけど…こはねに迷惑とか掛けたくないな。」
自分が危機的状況だというのに小豆沢のことを気にかける白石は本当に相棒想いだと言えるだろう。兎に角二人で校門を抜け何時もの公園まで歩いていく。
「今日の練習はセカイでだったよな。少なくともセカイに行ければ安心だ。」
「ほんとに、なんで付きまといとかするのかな〜。」
ブツブツ文句を呟く白石は先程のような緊張感が薄れ自然体に戻りつつある。良かった。
「よし、到着!早くセカイいこ!」
そう言って白石はセカイに行くためのプレイリストを再生し、二人でセカイへ向かった。
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いつも通り光に包まれ目を開く。
メイコさんの運営するカフェだと思っていたのに………
「ここ、は……?」
セカイだと思っていた場所は黒一色に包まれており、辺りには何人もの人が転がっている。息を吸い込むと鉄臭い匂いが鼻を刺した。
「っ、これは、死んでる……のか、?」
そう認識した瞬間にヒュッと息が詰まる感覚がした。ここは何処なんだ、倒れている人の格好を見ても全く見当も付かない。
パッと明かりがつき、一人の男が立っているのが目に入った。彼は手に刃物を持っており、踏み付けにしている人へ今にも突き刺しそうな気配をしている。
「な、何をしているんだ、辞めろ、!」
思わず声をかけてしまうと彼はゆっくりと、気味の悪い笑顔をしながら此方を向いた。その顔を見て息を飲む。
___同じ顔をしていたんだ。
『……へぇ、こんな事があるのか。』
「お前は、誰だ?」
『姿を見て分からないか。俺はお前だ、青柳冬弥。』
「なん………意味の分からない事を言うな、!」
言い返すと彼は何も言わず面白そうに冷たく笑っている。確かに同じ髪型、瞳、顔立ちをしている。なのに纏う空気がまるで違う。
『何故急にこんな所へ来たんだ?あぁ言わなくてもいい、どうせセカイのバグかなんかだろう。』
「何を言って____」
『そうだ、お前、人を殺したことはあるか?』
「は?」
『どうせ無いだろう。折角だ、俺が、いや__お前が犯罪を犯す場面を見ていくといい。』
………え?
そう言って「青柳冬弥」だと名乗った男は徐ろに刃物を振り上げ、踏みつけていた人物の胸に何度も何度も突き立てた。鮮血が飛び彼の足元や服を汚していく。床にも血溜まりが広がって、辺りの鉄臭さが増したような気もする。刃物を突き立てられた人物は苦しそうに呻き声をあげ、悶え、そのうちに動かなくなった。
目が離せなかった。
人が死ぬ瞬間を、殺される姿を見てしまった。
こんなにも呆気なくて、容易い物に感じてしまった。
そして、それを俺自身が平然とやってのけてるという事実を知ってしまった。
「ぁ………、死ん、で………」
『どうした、怖くて声も出ないか。』
刃物を動かない人物へ突き刺したまま此方へ歩み寄ってくる。真正面からハッキリと姿を見て姿の同一性を再認識される。そして、刃物を持っていた腕や手に返り血と思わしきものが大量に付着しているのも見えてしまう。
「何人も、殺してきたのか……」
『嗚呼そうだ。人間の死に際は面白いからな。』
「そんな、平然と………おかしい、っ」
『怖がる必要は無いじゃないか、俺とお前は同じなんだぞ?お前だってそう認識したはずだ。』
『なら、お前も殺せるんじゃないか?人を。』
「ひっ、、いや、俺は…!」
『俺は、なんだ?世界は違えど俺はお前、お前は俺だ。冷酷になればお前にだって人が殺せる。』
『なぁ、消したい人間が居るんだろう?付き纏われている仲間を救いたいのだろう?』
………確かにそうだ、俺は白石を救いたい。
でも、殺人なんて犯したら、チームとして迷惑を___
『大丈夫、誰にも迷惑は掛からない。お前は殺し方だって知っている。』
『心に悪魔を飼え。そうすれば白石も小豆沢ももう二度と怖い思いをしなくて済むんだ。』
「俺………は、」
「青柳冬弥」に頬を優しく撫でられ、耳元で囁かれる。
『お前のバッグにカッターが入っている。後は、分かるな?』
その言葉を境に目の前が真っ白になった。最後に見えたのはあの””悪魔””の気味の悪い笑顔。
俺が悪魔なんて信じたくもない、なのに、「俺がやった」「俺が殺した」という事実だけが脳にこびりついている。
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今度はカフェで目を覚ました。白石が心配そうな顔をしている。
「ぁ……!やっと起きた!セカイに来たら急に倒れて、魘されてたから心配したよー、、」
「そう、だったのか……、心配をかけさせてしまって申し訳ない。」
『 早く出ないと、取り逃してしまうぞ 』
そうだ、行かなければ。
「あれ、冬弥?急に立ち上がって、どっか行くの!?」
「すまない、少し用事を思い出してしまって、、すぐ戻る。」
「ぇ、ちょ___!」
白石の声も最後まで聞かないままセカイから出ていく。来た時と同じ公園に出た、当然だ。
カッターはあの悪魔の言う通りバッグの中に入っていた。
『 向こうに曲がって、二番目、彼処の路地だ 』
悪魔がそう囁いてくる。言う通りに進めば確かに白石を探しているであろうあの人の姿が見える。
カッターを取り出してカチカチ、と刃を長く出す。でも、勇気が出ない。足が震えてこれ以上動けない。
『 大丈夫だ、お前なら出来る 』
悪魔の囁く声が聞こえる。息が上手く吸えない。大丈夫、このまま、このままやってしまえば、ッ
「__冬弥?」
その声にハッとする
衝動が止まりゆっくりと振り返ってその名を呼んだ
「……っ、あき、と………」
あぁ、俺を止めてくれる人が来た