𝐏𝐚𝐫𝐭 𝟓〖能力〗

**ー和音sideー** こんにちわんこそば和音です！！ 初の私視点ですね！　嬉しいです！（メタ） …ん？　結局書いてるのは ｜えくれあ《この小説の作者》 だって？ ………イヤー、ナンノコトカナ？？ と、茶番はここまでにしまして。 前回までのあらすじ☆ てんのオリキャラ・白皙雪に、自分達と戦ってみるかと質問され、 成り行きで、えくれあのオリキャラ・水息露と対戦することになってしまった｜私達三人《和音・えくれあ・てん》。 3対1なら、流石に勝てると思った？ でも、相手はここの世界の住民。 ここの世界の住民ですらない私達が、勝てるはずもなく……。 ————————— 〜回想タイム〜 雫「位置についたな。じゃあ、戦闘準備よーい……」 雫「スタート！」 「無理無理無理無理！！！！！」 てん「無理いいぃぃぃぃぃ！！！！」 えくれあ「無理やぁああああああ！！！」 雫「終了！」 カンカンカンカーン！　ゴングのセルフ効果音！ 試合時間わずか0.8秒__くらい__！！ ザコすぎる、自分達が！！（倒置法） ————————— ──という感じで、瞬殺されてしまったんだよね…。 えくれあ「だから、私たちに戦闘は無理って言ったやろ？」 雫「笑って言うことじゃねぇんだよなぁ……。」 雪「これで感覚は掴めたでしょ〜？　それじゃ、僕との第二戦目行ってみよ〜！」 いやいや、ちょっと待って。 雪サン、あなたそれ、戦闘したいだけですよね？ 一番ふわふわで穏やかそうな見た目に反して、意外に戦闘狂なの！？ 感覚も掴めてない！ えくれあ「__あ、そうやった……。こいつ戦闘狂……って設定だった……。__」 半分エセ関西弁を交えながら、えくれあが小声で呟いた。 やっぱ戦闘狂だった！！ __あと『設定』って言っちゃダメね！？__ --- 雫「えー……。それでは二試合目、雪｜vs《バーサス》くれあ、てん、和音。」 露「あー、テステス……。解説はレナ、実況はボク・水息露でお送りいたします！」 露が雫の言葉に割り込み、どこから出したのか、マイクを握って笑顔&ピース。 雫「__おいおれを巻き込むな。マイクいらねぇって。__」 雫にもマイクを渡そうとするも、押し返されていた。 だが、露は気にせず続ける。 露「｜ハクさん《雪》と｜こーさん《てん》の武器はカラーボムが出る銃、｜えくさん《えくれあ》は くない 、｜らねさん《和音》は鎖付きの鎌、そして各自同じナイフを一本ずつ所持しています！」 雫「はぁ……。準備できたか？　よーい……」 呆れたようにため息を｜吐《つ》く雫。 大変なんだね、雫も…。 って、もう始まる！ 雫「スタート！」 「無理無理無理無理！！！！！」 てん「無理いいぃぃぃぃぃ！！！！」 えくれあ「無理やぁああああああ！！！」 あれ、デジャヴ(( 雪の銃から発された弾が、目の前に迫る。 慌てて体を反り、間一髪、頬を掠めた。 怖いって！！ （……あれ？） （さっきより…避けれてる？） そう。 一試合目は瞬殺されていた私達だけど…。 もう数秒は弾を避け続けている。 この世界に浸透してきたってことかな。 雪「避けてばっかじゃダメだよ〜！　面白くないなぁ〜！　能力使ってもいいんだよ〜！」 （能力、か…。） てん「！　能力…。」 そういえば、えくれあが── ————————— 〜回想タイム第二弾〜 それは、雫達が戦闘許可取得のため離れ、三人きりになっていたとき。 「ねぇえくれあ、さっき雫達が能力がどうとか言ってたけど、あれどういうことなの？」 私は、えくれあにそう質問していた。 てん「｜厨二病《ちゅーにびょー》？」 えくれあ「厨二病のオリキャラが五人もいてたまるか、このくそぱんだ。 　　　　　この世界にはね、一人二つまで、能力を持ってるの。」 「ふんふん。」 えくれあ「さっき五人が言ってた、雫の『血』なら血を操る能力だし、 　　　　　オウさん……こと、霞の『消失』なら、能力名そのまま、指定物を消すことができる。」 てん「血と消失って、怖…。」 えくれあ「種族や生きている世界を問わず、 　　　　　一人ひとり必ず所持してるものだから、私たちにも能力が存在するはずなんだけど……。」 「どんなものかわからない、と。」 えくれあ「そうだね。」 てん「能力かー。ファイヤー出る？」 てんがふざけて訊く。 ファイヤーって…それこそ厨二病っぽいと思うんだけど、てん。 えくれあ「ぽまえが火系の能力だったらできると思うけど。 　　　　　でもてんなら……能力名『構ってちゃん』とか、あり得そうじゃね？」 あー、確かに。 てんのユーザー名は、彼女のオリキャラが由来。 そのキャラは構ってちゃんな性格で、種族はパンダ。 てんのユーザーページのルビに『ぱんだ』とあるのも、 えくれあがてんを『くそぱんだ』と呼ぶのも、これが理由。 てんのファンマにパンダの絵文字が入っていたり、 ファンネが『てん《《ぱんだ》》隊』なのもそう。 てん「てんだぞ〜。構ってよ〜。」 えくれあ「なんか違う。」 てん「ねぇ、なんで構ってくれないの？　なんで返信くれないの？」 えくれあ「それはもはやメンヘラだな。」 「草。」 ————————— 確か、こんな会話をしたような。 てん「『構ってちゃん』、か……。」 てんも同じことを思い出していたらしく、呟くのが聞こえた。 でも、銃を撃つ手は止まっていない。 弾を避けながら銃を撃ち返し、さらに記憶を起こしながら喋ってるよこの小学五年生！！ やば！！　器用じゃん！ __現実のうちはそんな器用じゃないbyてん__ えくれあを見ると、腰につけた麻袋から くない を出して連投していた。 何個持ってきたの！？ えくれあ「__ﾃﾘｬﾘｬﾘｬﾘｬﾘｬ！！__」 だけど悲しいことに、てんの弾も、えくれあのくないも、 雪には当たらずじまい。 __露「当たってあげなよハク〜〜！！！」__ __霞「大人気ないわよ、白皙さん〜〜！！」__ __レイ「え、オウさん……？」__ __雪「やだよぉおおお！！」__ __雫「お前らそんなキャラじゃねぇだろ。」__ 私も避けるだけじゃなくて、攻撃しなくちゃ。 そう思い、鎖を左手に巻き付け、鎌を右手に持ち直す。 雪をまっすぐ見つめ、集中力を上げるために深呼吸をする。 てん「『構ってちゃん』……いや、もっと技名っぽく……せっかくなら厨二病っぽく……。」 **てん「『｜構ってちゃん《アテンション》』！！」** てんが、ふざけた声色で冗談っぽく言う。 その言葉を聞いたあと。 気がつくと、雪に向けたはずの私の視線は── ───てんに向かっていた。