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最悪の予知夢
一部加筆修正してあります。
私、|山敷 一菜《やましき ひとな》。
今、人の少ない公園にいる。
なぜ、ここにいるかを話すと長くなる。
それでも聞こうと思う?
そう。では話してあげましょう……。
私は予知夢を見る。
当たる確率は百パーセント。
この前は、学校で買っているウサギが死ぬ夢を見た。
そして死んだ。
もう、誰かが死ぬことは慣れてしまった。
先週はお姉ちゃんが死んだ。
すべて前日に予知夢で見た。
私は魔女だとかあの世の人間だとか言われて気味悪がれたり、周りは怯えた目で見られたりした。
もうそれにさえ慣れた。
そうして、私は毎日毎日予知夢を見た。
校長先生が、教頭先生が、クラスメイトが、部活の先輩が、死ぬ夢を見た。
そして、その次の日には死んだ。
みんなは私を避け、私の予知夢で殺されないために転校していく奴もいた。
だけどそれも無駄。
現実で会わなくなっても、夢で会って死んだら意味がない。
それでも学校は私を退学にした。
両親は退学にされた私の失望と殺されるかもしれない恐怖で、ついに私を家から追い出した。
そして今に至る。
私は今、人の少ない公園にいる。
そして夜だ。
寒く暗い。
この生活になってから一週間がたった。
昨日までは自分のお金でなんとかできたが、ついにお金もなくなってしまった。
ああ、眠いな。
もう寝てしまおうか。
Zzz……。
『○○公園で山敷一菜さんが死亡しているのが発見されました。死亡原因は不明です』
はっ!
今のは何……?
私は夢で自分が死んだというニュースを見てしまった。
当たる確率は百パーセント。
つまり、私は死ぬ……。
そう考えると体がガクガク震え始めた。
そして、脳内は「死にたくない」という言葉でうめつくされた。
死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない。
死にたくないよ……!
うっ……。
苦しくなってきた。
目の前が暗くなる。
ああ、死ぬんだな、私。
さようなら世界。
生まれ変わるなら普通の人になって幸せに過ごしたいな。
じゃあね。
ニュースにて
「○○公園で山敷一菜さんが死亡しているのが発見されました。死亡原因は不明です」
END