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月の都の硝子使いは星屑の真夜中に駆け抜けます!(最終回っ)
あらすじ! 金と合併し瑪瑙のお偉いさんとなった女無天。しかし警備中に見つけたものとは・・
あ、ちなみに短カフェ三周年おめでとうございますっ!
「・・・やっぱりか」 そこはあの時見た洞窟に間違いなかった。「でもあれって僕の記憶の中のはずじゃ?」ならここは現実?幻?僕はわからなくなっていた。
すると、視界の端に誰かがいた。洞窟の隅に丸くなり、ぼーっと天井を見つめている。見たかんじ年齢は僕より少し上。僕はその子に声をかけた。
「・・・何してるの??」「あ・・・」その子は気まずそうに僕の方を見る。目は、僕やリベリカと同じ緑の目で、容姿はどちらにも似てた。「あ、そうだ僕、港。」「港か・・・僕女無天。名前似てるね〜」「・・・そですね(笑)」港と言う子は穏やかな性格だった。でもどこか怯えているような・・・「女無天さんはどこから来たの?」港が聞く。「月の都ってとこ。」「月の都ってかぐや姫のいる?」「ん?かぐや姫?」「僕の世界の童話です。地球にいた姫が使者によって月に行ってしまう話なんです。」
「夜空?・・・」「??」「多分そのかぐや姫っていう人。僕の相棒かも?」「え?!✨ほんと?!」
おい夜空。どんだけ有名なんだよ。
「そういえば君はどこから来たの?」「えっと・・・地球の日本って世界。いや、令和が正しいかな?」「令和か・・・」初めて聞いた。
「あ、あの!女無天さん。そういえばリベリカが出口に行ってましたよ!女無天に会いに月の都に行くって。」「え?!」「あっちの出口から行けますよ!」「あ、行ってくる!港!ありがとね!!」「女無天さん!いってらっしゃい!」
そして例の出口まで駆け出した。
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side夜空
私は警備を終え宮廷の門の前にいた。結局あの泥棒以降大きな事件はなかった。強いていうなら少し都民の手助けしたくらい。まあ平和でいいかと思った。
「あの、僕宮廷に入りたいんですが・・・」突然青年が声をかけた。でも明らかにここの都民ではない。明らかに時代離れした異国の服。言葉遣い。直感が不審者だと悟った
「すみませんが宮廷は許可者のみしか入れません。」
「あ、そうか。僕、灰柄 女無天に用があってきたのですが。」「女無天は今警備中ですね。帰る時間遅いですが・・・でもあなたに女無天は会わせません。」 「なんで?」「だってただですら都民でもないのに女無天に接触するのはおかしいですもん。」「僕は女無天と精密な関係があります。部外者ではありません。」「でも帰ってください。」
そして私は光の刀を出す。「あ、そっちがその気ならいいですよ。こう見えて戦士ですので。」
そういって相手は、軍刀を構える。しかし、それも違和感があった。都では見慣れない模様。怪しく橙色に発光し、硝子でできている。
・・・ん?ガラスの軍刀。緑の目。そして顔立ちや黒の帯髪。いやそんな。だって女無天は・・・
「リベリカ!!!!見つけたぞ!」
奥からそんな大声が聞こえた。警備を終えた女無天だった。するとあの青年は女無天に向かって軍刀を握り走った。「女無天待て!そいつh」言い終える直前。 青年は軍刀を投げ捨てた。
そして2人は抱き合っていた。・・・いやどゆこと・・・
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side女無天
僕はあれから洞窟を抜けて全速力で都を走っていた。あいつが危害を加えないとは思うが、何かやらかしたら心配だ。
それに僕はあいつに謝りたい。
すると、宮廷の前に、夜空がいた。あいつなら何か知ってるか?しかし、夜空は誰かを威嚇しているようだった。その相手は・・・「・・・リベリカ?」一瞬立ち止まってボソッと言う。すると青年は橙色に光る軍刀を出した。もう間違いない。
「リベリカ!!!!見つけたぞ!」
ありったけの声で叫んだ。リベリカは驚いたような顔をして、こっちを見た。そして軍刀を放り投げて、走り出した。そんな彼に僕は抱きついた。
「リベリカ・・・ホンッットにごめん・・・」僕は小さく彼にいった。「なんで謝るの?僕の方も悪いよ。勝手に君を捨てて君だけ幸福の出口に行って。」「いや、それに気づけなかった僕も悪い・・・気づけてたらリベリカの奇病も治ってたよね。」「・・・女無天。もういいよ。僕の奇病なんて。奇病の全治より女無天が大切だし・・・」「リベリカ・・・」気づけば頬に少し涙が伝っていた。リベリカも僕と同じ緑の目を潤ませていた。
ふと周りを見渡すと、そこにいた都民全員と夜空は僕たちを見ていた。しれっと僕らの話を聞いて泣きかけてる者や、リベリカ自体を不思議そうに見ている人まで。視線のあり方はさまざまだった。
「・・・とりあえず外れに行く?」僕はリベリカに問いかけると頷いた。
それから僕らは久しぶりにたくさん話した。リベリカや僕の世界の話もたくさんした。
「あ、そういえば女無天。」リベリカがそう切り出した。「どした?」
「なんで僕らが別の世界線で生きて、こんな名前なのかわかったよ。」「え?!」
「うん。色々調査を進めていくうちにわかった。」
「え、なになに??」
そしてリベリカはそのことについて話してくれた・・・
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「寂しいけど、じゃあね!」「うん!そっちの世界でも頑張ってね!」さっきの洞窟で僕らは別れの挨拶をしてた。そして遠ざかっていくリベリカの背中は前より大きく見えた。
そして見送った後、僕はその洞窟をでた。「・・・過去に求めた温かい心とかけがえのない時間。なんか僕にピッタリ・・・」僕はさっきの話でリベリカに言われたことを思い出した。
「女無天さん!!見つけたぁ!」不意に元気な瑠璃の声が聞こえた。
「もう!どこ行ってたんですか?!」「どこって、あそこの洞窟に行ってたよ。」「え?洞窟なんてないですよ。綺麗な結晶ならありますが・・・」「え・・・」そして瑠璃は洞窟の天井にある緑色の結晶を指す。「いや、その下に洞窟あるじゃん・・・」「え?!ないですよ?!女無天さんおかしくなった?」「・・・そっか、瑠璃には見えないのか。リベリカの言ってた特性のせいかな?」「??」
「まあいいや。瑠璃!今日はもう遅いし帰ろ!」「!そうですね!では競争しましょ!いちにっさん!出発!」「は?!瑠璃?!待って待ってw」気づけば空には星屑が散らばっていた。
月の都の硝子使いは星屑の真夜中に駆け抜けます。
end
epilogue
女無天とリベリカの話していた都のはずれの岩の上に、一枚の紙切れが忘れられていました。そこにはこんなことが書かれていました・・・
『ミント(薄荷)の花言葉。 温かい心遣い かけがえのない時間』
後がきは後日!