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本編6
1週間以上、彰人の家に泊まらせてもらった
足の腫れも治ってきたし、大丈夫だろう
「…お世話になりました」
「ううん、またいつでも来てよ」
「そっすよ、がちで心配なんで…」
「まぁ…迷惑かけない程度に、頼らせてもらう」
「ん、じゃあまたね」
「ありがとうございました」
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親には連絡されていたようで、特に何も質問はされなかった
自室に戻ってベッドに寝転び、スマホを開く
「…うわ、不在着信すご」
履歴がとんでもないことになっていた
そういえば、練習全く参加してなかったな
怪我してたからしょうがないと思うけど
「とりあえず…明日から学校だし、準備しよう」
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「…久しぶりの教室…嫌だな」
「あ…屋上…」
そういえば、昼休み以外に行ったことなかったな
「…もういいや、サボろう」
なんとなく全てが嫌になって、逃げようと思った
大丈夫。オレは今まで頑張ってきたから
少しサボるくらい…大丈夫
…成績には影響するだろうな
「というか、先客がいないといいんだが…」
少し緊張しながら、屋上の扉を開けた
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「…誰もいない」
暁山でもいるかと思ったが、誰もいなかった
まぁ、1人になりたかったから好都合だけど
「…涼しい」
風が心地良い
とても、気持ちがいい
嫌なことなんか、忘れてしまいそう
「…それにしても、高いな」
ここから落ちたらどうなるんだ?
死ぬ?それともただ怪我するだけ?
なんてことを考えながら、1人の時間を過ごした
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「…あ、もう昼休みか」
類達が来るかもしれないという恐怖
不在着信の事も聞かれるだろう
いつかあいつらにも殴られそうで怖い
仲間だったのに
「オレらの絆って、こんな脆い物だったんだな」
…もう関係ないか
今日、ショーキャストをやめる
もっと早く決断していればよかったな
「…足音」
今は誰にも会いたくないし、隠れていよう