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#4 聞きたくなかったこと
⚡「おーい!撮影始めるで〜!」
たっつんの一声で全員が部屋に戻る
今日は動画を撮る日
確か……「バグだらけのPVP」だったっけ?
🍫「やば、チーム分け確認しとかないと」
🌷「ですねw」
なおきりさんと笑いながら部屋に戻る
🌷「そういえば、じゃぱぱさんは撮影とか大丈夫なんですかね?」
確かに、じゃっぴは撮影に参加できるのだろうか
支障が出るのではないかと不安になってしまった
❄「じゃぱぱさんのことなら任せてください!」
❄「何かあっても大丈夫なように、るながそばにいます!」
るなは私たちにそう言うとザウルス寮の方に走っていった
🐑「るながいるから安心だね」
🍫「ふぁ!?!?」
いつの間にか背後にいたヒロくんに思わず驚いてしまう
ヒロくんはごめんごめんと笑いながら寮に行ってしまった
🍫「…ボコろうかな」
🌷「えとさん真面目な顔でそんなこと言うのやめて??」
🍫「あ、ごめん……w」
私達は部屋に戻り、撮影の準備を始めた
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撮影が始まると同時にPVPも始まった
👓「よし、のあさん行くぞー」
🍪「ふぁーい」
俺はのあさんと同じチームだった
アイテムをかき集めて色々と試す
🍪「わぁぁ!!見てもふくん!!」
のあさんが叫んだ方向を見ると、
クワを降って魔法陣を作っているのあさんがいた
👓「待って待ってどういうこと!?w」
🍪「えっとね〜…死神の鎌だって」
👓「いや怖ぇよ」
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⚡「どぬ見てみ??」
たっつんがくれたのは小麦の種だった
🦊「なにこれ?」
⚡「それね、右クリックするとね…」
言い終わる前に右クリックを押してみると、
コケ-ッコッコッコッ!!!
🦊「うぇぇ!?」
大量のニワトリが現れ、画面が見えなくなった
⚡「やばない?w」
🦊「やば!」
🦊「ナナ○キパーリナイじゃん」
⚡「誰かさんが喜びそうやな」
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🎸「おらぁ!!くらえっ!!」
雪玉を投げるとスノーゴーレムが召喚し、一斉に攻撃を始めた
🍗「ガチかよ…」
🦖「…」
🍫「いくぞうりー!」
えとさんとどんどん攻めていった
その時違和感に気づいた
…じゃぱさん、さっきから何してんだ?
関係ないところを殴ったり、
よく分からないところに走ったりしている
🍗「…じゃぱぱ?」
🦖「…え?」
呆気にとられたような声を出した
じゃぱさんの声に俺たちも立ち止まる
🍫「ねぇ、じゃっぴ…大丈夫、?」
🦖「え、?俺…何してるんだ、」
🎸「なにって…撮影でしょ?からぴちの動画の」
そう言うと沈黙が流れた
🦖「……さつ、えい?からぴち、どうが……」
🍗「…おい、じゃぱぱ大丈夫か、」
その時だった
🦖「それって、何…?」
言葉が出なかった
じゃぱさんの口から吐かれたその言葉が
俺の背筋を凍らせた
知らない間に、こんなにも進行してるなんて、
忘れるだけだし、なんて事ない
そう思っていたのに
なんで、
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結局撮影は中止になった
るなが近くにいたおかげで異変に素早く気づくことができた
❄「当分、じゃぱぱさん無しで撮影をした方がいいかもしれません」
目を細めてるなは言った
🍗「…じゃぱぱのところに、行かなきゃ…、」
誰かに言われた訳でもないのに、
俺は吸い込まれるようにじゃぱぱの部屋へと向かった
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コンコンッ
ドアをノックしても返事はなかった
🍗「…じゃぱぱ?」
声をかけてしばらくすると、
扉が開いた
🦖「…あ、、どうぞ、」
目を逸らしながらじゃぱぱは言った
俺はそれに、違和感を感じた
🍗「なぁ、大丈夫か…?」
ぼーっとしながら立つじゃぱぱの背中に問いかける
🦖「…ごめん、なさい」
震えた声が聞こえた
俺に絶対言わないような敬語を使ったじゃぱぱ、
それを聞いて俺は、
1つの信じたくない、辿り着きたくなかった事実が見えた
🍗「おい…っ、嘘だろ、?」
🍗「なぁ、じゃぱぱ…っ」
聞きたくなかった
でも、聞かなきゃいけなかった
🍗「…俺の、」
🍗「俺の名前……分かるか…っ?」
視界が滲む
何か熱いものが目から零れていく感覚がした
じゃぱぱは口を開いて、
静かに呟いた
🦖「……分からない、です」
分からない
これほどこの言葉に絶望を感じたことはない
るなの言った侵食、という言葉が何度も頭を過ぎる
じゃぱぱの記憶が何者かによって奪われていく
思い出も記録も、全部
悔しかった
何も出来ない自分が、無力な自分が、
いつもじゃぱぱに助けられてばかりな俺が、
じゃぱぱを助けることができなくて
🍗「…っう、、うぁ…っ、ポロッ」
膝から崩れ落ちた
涙が溢れて止まらなかった
大切な人に自分を忘れられて、
自分は何も出来なくて、
🦖「あ、あの…大丈夫、ですか、?」
しゃがんで俺の顔を見るじゃぱぱは、
俺の知ってるじゃぱぱじゃなかった
じゃぱぱの目には、「ゆあんくん」はいない
ただ、泣きじゃくった知らない少年が写ってるだけなんだ
ゆあんくんって呼ばれていたあの時が、
どれほど幸せだったのか
痛いほど分かる
でも、どうか、
どうか、お願いです…
もし、もしもこの世に神様がいるなら……
どうかお願いします……
🍗「…っうわあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!ポロッ」
俺たちから、幸せを奪わないでください…
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鏡の奥に映る、2人の男の人達
片方は泣き叫んでいて、
もう片方は困惑しつつも背中をさすっていた
?「…」
私は、今どんな感情を抱いてる?
悲しい、怖い、不安、心配、
どれにも当てはまらない
中身はきっと空っぽなんだ
満たされない
いや、満たそうとしても零れてく
私に穴が空いてるから
だから、誰かが治さないといけない
私が、
《《彼》》が幸せになるために、
私が何とかしようとしても何もできない
早くしないと、
もう、手遅れになっちゃう
これ以上誰かを悲しませる訳にはいかないんだ
お願い……誰か……
誰か、、
?「助けて…」
真っ暗な闇の中で、
少女は呟いた
おつなこ!!!