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生き残れるのは一人だけ~始まりの日~
主に西沢川江梨子目線で書いていきます。
……?
ここはどこ……。
私が体を起こすと、周りは見たことのない場所だった。
そして……。
「柚希?」
そこには私の唯一の友達の柚希や、クラスメイトの女子たちが数人いた。
しばらくすると、みんなも気が付いたようでそれぞれ顔を見合わせていた。
「ねえ、江梨子。ここってどこなの?」
急に声をかけられた私はビックリし、思わずビクッと肩を揺らしてしまった。
声をかけてきたのは柚希だった。
「あはは。江梨子ビビりすぎ」
声をあげて笑う柚希を軽くにらむと柚希は笑うのをやめ、私に小声で話してきた。
「江梨子って、ここがどこだかわかる?」
私は小さくため息をつき言葉を返す。
「知っていると思う?」
「思う」
柚希はバカなようだ。
まあ、そんなこと友達になった頃から知っているけど。
私がふと周りを見渡すと、ほかのみんなが私たち二人の事をジッと見ていた。
そして、石崖ルルさんが山竹みささんに小声で話しかけていた。
「ヤバいじゃん。ここどこなのか西沢川さんもわかんないんだってさ」
「そうだようね……。本当にここってどこなんだろう……。怖いよ」
みんながザワザワし始めたとき、急にキーンという音が聞こえた。
そしてそれと同時にあたりが真っ暗になった。
みんな耳をふさいで怖がっている。
しばらくして音が止まると恐る恐る顔を上げた。
部屋の壁にモニターが出ていた。
石崖さんがモニターに近づくと突然モニターが明るくなった。
山竹さんが怯えて「ヒィッ」と小さく叫んで震える。
隣に座る柚希もガタガタ震えて私にしがみついている。
すると明るいモニターに人が映った。
30代ぐらいの男性だ。
真っ黒な仮面をかぶっていて顔はよく見えない。
「おはよう。君たち」
「あなたは誰?」
真っ先に石崖さんが聞く。
男性はフッと笑うと話し始めた。
「私はその部屋の主だ。君たちには命をかけて戦ってもらう」
みんながそれぞれ顔を見合わせている。
その顔は真っ青で怖がっている様子が伝わってくる。
男性はそんな私たちにも構わずに話し続ける。
「ルールは簡単。一人だけが現世に帰れる。その他は死ぬ」
あまりにも急に死ぬと言われて私も動揺する。
他のみんなはもう耐えられないというように泣き出している。
そして、画面は暗くなった。
この先私たちはどうなってしまうのか……。
こうして私たちの生き残りをかけた戦いが始まる。