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或る女人の言葉
私は、何故に如何して、あんなことをしてしまったのでしょう。
きっと、私も若かったの。
魅力的で、スリルに満ちた恋に、恋をして。そしてあの人に恋してしまった。
けれど、それは矢張り「恋」。愛では無い。
私を最も愛してくれていた御方はすぐそばにいて。
如何して気づかなかったのか。若さからか、恋からか。
あの頃の私は、濃厚な甘さとスパイスの中にどっぷりと浸かっていた。
「死んだって構わない」と云うように。
確かにあの人を愛していたことは変わらない。あの人がこれまでで一番の男であることも変わらない。
けれど。
彼の御方の、私を赦す暖かさと、優しさの詰まった甘さが、今は何よりも心地よい。
自分の罪の重さが、何時もちらつくけれど。
無知は罪。
嗚呼、その通り。
無知故に私はあの道を進んだ。
あの道が、間違ったものだとは言わない。言えない。
そう言ってしまえば、あの日々は私にとって汚れに汚れた闇の日々になってしまう。
そんな事をする勇気は、まだ私にはなかった。
--- 心いる かたならませば ゆみはりの 月なき空に まよわましやは ---
あの日々に私が贈った歌。
あの人は、「迷う人」だったのだ。
「迷わぬ人」では無かった。
これを贈るべきだった人は、そう……
彼の御方──貴方なのでしょう?
(若き頃の恋を振り返る朧月)
眠り姫です
源氏物語知ってますか?
私はね、苦手なんですよ。
だってドロドロしてるじゃん!
と云うか女性達は良いのよ。女性達は。
光源氏が苦手すぎて。
と、まあとにかく、この主人公は源氏物語に出てくる登場人物、朧月夜です。
気になった方は調べてみて下さい!
では、あなたに今日1日、良いことがありますように