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迷ヰ兎と正月
ルイスがいつも以上にダラけてるだけ。
てか、雑。
天泣side
ワンダーランド。
そこはルイス・キャロルの異能力で生まれた異能空間であり、存在するが行くことは不可能な場所。
様々なエリアに分かれているのは、海嘯時代から読んでくださっている神読者様達ならご存知だろう。
過去の私を知らない人は是非「英国出身の迷ヰ犬」で検索してみてくれ。
おっと、露骨な宣伝はこの辺にしておこうか。
そんなこんなで、今回は私“海嘯”目線で送らせてもらう。
簡単にいうなら第三者目線だ。
さて、そろそろルイスくんの様子でも見に行こうか。
先ほど説明した通り、ルイスくんにはワンダーランドという自分の世界がある。
正月とか関係なく、彼はワンダーランドにいた。
その中でも、お気に入りの“ぬいぐるみのエリア”にいることだろう。
「……。」
おっと、ぬいぐるみの山から足が出ている。
あの足はルイス君で間違いない。
文スト世界ではチビに分類される162cmで、足のサイズは|4inch《22cm》と小さい。
話が脱線したね。
とりあえずあのままぬいぐるみの山に埋まっていたら、そのうち窒息するのではないだろうか。
誰か救出してくれないか、とは思ったけど普通の人は外からワンダーランドに入ってこれない。
あれ、これルイスくん詰んでね?
「うぇ?」
ガシッ、と足の掴まれたルイスくんがぬいぐるみの山から引っ張り出される。
もちろんルイスくんを救出したのは━━。
「何やってるのよ、ルイス」
「……疲れたから休憩中」
「今年始まったばかりなのだけれど」
それに何もしてないじゃない、とアリスがため息をついている。
初詣も初日の出も何も行ってないからね。
ルイスくんも、もちろん私だって。
そんなこんなで足を掴まれたままのルイスくんはアリスに引き摺られていく。
え、何この絵面めっちゃ面白いんだけどwww
幾つかエリアを超え、二人がやってきたのは謎のエリア。
そのエリアに足を踏み入れると、真ん中に炬燵が置いてある。
「え? 何で?」
「入らないのを福沢さんからもらったのよ」
ワンダーランドに電気はないのに、どうやって電気炬燵を使うのだろうか。
私もルイスくんも同じことを考えている。
とりあえず入ったルイスくん。
「……。」
え、そのまま炬燵へ潜ったんだけど。
出てこないし。
炬燵の中を覗いてみると、電気がついていた。
え、何故???
「ちょっとルイス。猫じゃないんだから出てきなさい」
「ジャパニーズ、コタツ、サイコウ」
「はぁ…(クソデカため息)」
呆れて何もいえない表情をしてるアリスって珍しいな。
ルイスくんの足を引っ張ると、炬燵ごと移動してくる。
炬燵の足でも掴んでるのか?
え、馬鹿だろ。
「ぼく、ここでいきる」
「駄目よ。まだ最終章とか季節ものの小説書き終わってないんだから」
ていうか、とアリスがまた溜息をつく。
「ワンダーランドに寒いも暑いもないでしょ」
ひょこ、とルイスくんが炬燵布団から顔を出す。
暫く無言が二人を包む。
「まぁ、いいじゃん」
完。
「“完”じゃないわよ!?」
「ありすぅ…うるさぁい…」
炬燵を転送するアリス。
ニコニコと笑っているものの、ガチギレしているのは言うまでもない。
「まだ14:23よ?(現在時刻)」
寒くて震えるルイスくんの足をまた掴んで引き摺りながら、アリスはまた別のエリアを目指す。
「……引きずられるの痛い」
「そう」
「……アリスが冷たくて辛い」
「へぇ、それは良かったじゃない」
「(´;ω;`)」
「え、気持ち悪」
「え?」
「え?」
二人を、また無言が包み込んだ。
完((
ということで、新年の挨拶は此方!
https://tanpen.net/novel/9697a788-094f-4d63-87b8-2edf30720ae8/