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ホークスさん、?
これは、俺が「小説カキコ」というサイトで活動していたときに投稿したものを
ちょっとアレンジしたものです。
今読み返したらこれの方がうまくて泣ける
アレンジ内容
「、、、」を「…」に変えた
一人称「僕」を変えた
その他もろもろ変えた
文とかはほぼ変えてないので 読んでみて今と一年前どっちが上手いか
教えてくだせぇ
「え、体調崩した?!」
いきなりかかってきたホークスさんからの電話で、私は思わず叫んだ。
『ぅ、声大きか…』
「あ、ごめんなさい…」
いつもより覇気のない声に、心配と不安が押し寄せる。
一人で部屋で倒れてたりしないだろうか…
「……私、行きましょうか?」
『ぇ、』
「ホークスさん、多分その様子だと動けませんよね、色々買って行きますよ」
『ぇ、でも、学校、とか…』
「学校は休みます。」
ていうか、行ったところでホークスさんが心配で授業なんか集中できない。
「とにかく、寝ててください。倒れられたら、困ります」
うん、ほんとに困る。
私が一番尊敬している人が、ぶっ倒れなんてしたら…うわぁぁぁぁぁぁっっ
『…わかった…ありがと、』
か細いが、そう言ってくれた。
「…ちょっと怖いんで、繋げたままでもいいですか?」
『…えぇ…?…ぅん…?』
ホークスさんにそう伝えて、私は急いで支度をして外に出た。
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何だったら食べられるだろう
私は薬局に来て、いきなり壁にぶつかった。
ホークスさんの体調もあまりわからないし、どうしよう…
…はっ、そうか、聞けばいいんだ。
なんで気づかなかったんだろう、電話つないでいる意味ないじゃん。
「…ホークスさん?なんか食べれそうなものありますか?ゼリーとか…」
そこまで言って、気が付いた。
ホークスさんの呼吸が、さっきより荒くなっていることに。
ここからホークスside
最近、色々と仕事が山積みだった。
パトロールに事件事故の解決、ジーニストさんの仕事の手伝い、などなど…
そのせいか、今日は珍しく体調を崩してしまった。
いつもより少し高い体温と、うるさい鼓動、そして頭が割れそうなほどの頭痛。
だが、そんな俺の体調をもろともせず、携帯から軽快な音が鳴り響いた。
緊急の出動要請だ。
このまま無視して布団で丸まっていたいが、そんな我儘はもちろんこの世の中には
通用しないと思う。
おきなきゃ、
今危険にさらされている人の苦しみに比べたら、こんなの……。
動かなきゃいけないのに、体がいうことを聞かない。
しんどい、
もしかしたら、
そんな野望を胸に、俺はエンデヴァーさんに電話をかけた。
『なんだ、今忙しいんだ、お前も早く来い』
「あの、そのことなんですけど…」
俺は馬鹿正直に、今の状況を伝えた。
もう伝えた後だが、今更後悔をした。
こんなの、ただの甘え…だよな。
『…そうか。安静にしておけよ』
ピッ
「え、ちょ…」
状況があんま理解できとらん…
休んでいい、ってこと…?
やっとそう理解すると、「はぁっ……」と一気に体の力が抜けた。
エンデヴァーさん、あんなこと言うんだな…
今日は、エンデヴァーさんの珍しい一面が見れた。
そんなことを考えながら、重たい体を動かして、はるに電話をかけた。
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電話を繋げてくれているから、常にはるの声が聞こえる。
それだけで、なぜか安心できた。
しばらくすると、熱が上がっているのか…寒気が増した。
それからどんどん増してゆく体の怠さと寒気と、そして頭の痛み。
いたい、さむい、しんどい……はる、
『ホークスさん?なんか食べれそうなものありますか?ゼリーとか…』
ぁ、う、はるぅ~…
相当弱っているのか、生理的な涙があふれてくる。
『!?ホークスさんっ…!だいじょ、え…』
「っは、だいじょ、ぶ、げほ、っげほっげほ…」
『す、すぐ行くんで、待っててください…!』
待ってて、とは言ったが、はるは電話を繋いでいてくれるっぽい。
よかった、これで寂しくない…
って、なんでおれ、さみしいとかおもってんの…?
「はる、」
『、なんですかっ、、!?』
「あと、どんぐらいで、くる、?」
これはそろそろキャラ的にやばいかもしれん、が、本当に今は
何故かはるが異様に恋しかった。
『……あと、10秒』
「え、」
それははやくないか…?
と思いつつも、しれっと10秒数えている自分がいた。
5、6、7、8、9、
ガチャッ
「ぁ、はる、」
「っ、ホークス、さん…っ」
どたどたと入ってきたはるは、俺を見るなり泣きそうな顔をした。
「大丈夫、ですか、っ、」
きっと、俺があんな我儘言ったから、個性を使ったのだろう。
はるは息を切らしていた。
「…ごめん、なさい、おれが、わがままいった、せいで、」
「え、なにが、ですか……??」
「…ぇ、?」
おこって、ない、、?
「ふぅ……よし、ホークスさん、体調どんな感じですか?」
「ぁ、、えと、頭痛くて、寒い、です」
「う~ん……じゃあゼリーかなぁ…」
「……ふっ、」
両手にゼリーを持って睨めっこをしているはるが少し微笑ましくて、
笑ってしまった。
「ちょ、ちょっと、ホークスさんっ…なに笑ってるんですかっ…!」
「ご、ごめんって…なんか、かわいくて」
思ったことを正直に言うと、何故かはるは顔を赤くした。
「っ…それは、反則……」
「ぇ、?」
なんて…
「なっ、なんでもないです…!ほら!ゼリー!食べてください!!」
「わ、わかったわかった…」
お皿に乗せられたゼリーを見て、少し胸のあたりに違和感を感じた。
なんか、きもちわる…ぃ、?
「ホークスさん?食べないんですか、?」
「あぁ、ごめんごめん、食べる、」
なんて気持ちには気のせいだと蓋をして、ゼリーを口に入れた。
「っ……」
やっぱ、気のせいじゃなかった…?
さっきと同じような感覚が、胃に広がる。
どうしよ、言ったほうがいい…?
いや、だめ、
これ以上迷惑かけたらいけん…
嫌われたく、なか……
「……ホークスさん」
「っ、なに、」
「無理せんとってください。」
「え……?」
「なんか、しんどいんですよね?無理して食べなくてもいいんですよ」
「え、や、そんなこと…」
正直、否定はできない。
気分が悪い。胃、らへんが、
「そんなこと、ありますよね、」
「今だけじゃない、最近、無理してますよね、仕事とか、たくさん受けて、、
だから体調崩したんですよね…?」
「そんな、こと…」
『 頑張りすぎなんですよ、ホークスさんって。 』
「そんなこと、ない、」
頑張ってない、全然、
今日だって…
「今日だって、はるに迷惑かけて、おれ、がんばれてないよ、いっつも、
めいわくばっか、かけて、、、っ、ぅ、」
気が付けば、俺ははるの腕の中にいた。
「ホークスさん、」
「迷惑なんて思ってませんし、ホークスさんは頑張ってます 知ってますか?
泣いてるってことは、頑張った証拠なんですって、!」
「大丈夫ですよ、」
「うぁ、う…」
「泣きましょ?泣いていいんですよ、」
そのあと俺は、子供のように泣きじゃくった。
---
「落ち着きましたか?」
頭上から降ってくる、優しい声。
「ぅん、」と力ない声で返す。
先程よりも気分の悪さは増していて、頷くことですらしんどかった。
「はい、ゼリー…食べれそうですか」
と、控えめにお皿を差し出してくる。
「…たぶん、」
食べられる、とはもちろん言えなかった。
「ていうか、ホークスさん…また熱上がってるっぽいですね」
そういいながら、俺の額に手を当ててくる。
確かに、さっきよりも身体が熱を帯びているような気がする。
っ、さむ…
身体を震わせていると、はるが「ぇ、」と声を漏らした。
「寒い、ですか…?まだ熱上がるの…」
そうか、寒いということは熱が上がる前兆…
はるの言葉と寒気に震えながら、ゼリーを一口口に含む。
「…っ、」
やば、やっぱ無理かも、
「ぁ、もう食べれませんか、?お皿下げますね…っ」
どうしようかと、回らない頭で必死に考えていると、はるが俺の手にあったお皿を持って歩いて行った。
「っ、は、しんど…」
独りになった部屋で呟く。
寒いし、気持ち悪いし、頭痛いし…もうやだ…
吐いたらどうしよう、とか、また迷惑かけちゃったなぁとか
頭に浮かぶのは、どれもネガティブな言葉ばかり。
熱って人の心ですらも変えられるんだなぁ、こわぁ…
そんなことを考えながら、いつのまにか俺は眠っていた。
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目が覚めると、辺りは真っ暗だった。
「ここ、どこ…」
一度飛んでみようかと思ったが、どうやらここでは個性は使えないらしい。
きょろきょろしていると、100M程先に人影が見えた。
「っ、はる…!ここどこかわかる…?」
いつものように、優しく返してくれると思った。
「うわ、ホークスじゃん。なんか用?…っはwもしかしてまだ仲間だと思ってる?
とりあえず言うけど、もう仲間じゃないよ。気安く話しかけんな?」
けど、耳に入った声は低く、いつもと明らかに違った。
俺の本能が、「こいつははるじゃない」と警告を鳴らしている。
「はる、」
「だーかーら、何回言わせるの?しゃべりかけんな。」
肩をどんっ、と押されたところで、目が覚めた。
---
「っは、はっ、」
「うぉっ、びっくりした、ホークスさ、」
「う″ぇ、っ、」
固く結んだつもりの指の隙間から、容赦なく吐瀉物が溢れる。
「げほっ、う″ぉぇっ…」
そんなに吐くものないだろ。
そう言いたいが、そんな余裕はもちろんない。
「っえ、ほーくすさん、!」
「お″ぇっ…!ごほっ、げほ、」
さっき思ったことはどうやらあっていたようで、30秒程で吐き気は治まった。
よかった、
そう思ったが、固くつむっていた目を開いて、そういえば俺、思いっきり
ベッドで吐いてたな、と申し訳なくなった。
前言撤回…全然ようなか…
「…はっ、ごめんなさ、ホークスさんっ、」
「…っ、?」
俺の目の前には、目に涙をためているはるが。
なんで謝られているのかも、なんで泣いているのかもわからなかった。
俺、なんかした…?
あ、その前に…
「ぁ、片付けするっ…」
その前に、この目の前の悲惨な状態をどうにかしなければ。
「っあ、いや、私がやります…っ、ホークスさんは休んでてください…っ」
「ぇ、でも…」
「い、いいからっ…」
と、無理やりベッドに押し戻される。
「じゃぁ、うがいしてくる…」
そう言って、立ち上がった時だった
「うぁっ、」
やべ、倒れる…
「うわっ…ホークスさんっ、大丈夫ですか、!」
熱のせいか受け身を取れる自信はなかった。だから痛みを覚悟していたのだが。
はるのおかげでぶっ倒れずに済んだ。
「だ、だいじょぶ…ありがと、はる、」
はるに礼を言って、今度こそちゃんと立つ。
顔を洗って、口をゆすいでから戻ると、さっきのなんて噓のように、綺麗に
片付いていた。
---
「あっ、ホークスさんっ、おかえりなさい!」
はるは、あんなに汚いものを片付けさせたのにも関わらず、笑顔で迎えてくれた。
「は、はる…ごめんね?あんな汚いの…」
「あぁっ、大丈夫ですよっ!ホークスさんに片付けさせるわけにもいきませんからね!」
優しすぎないか、この子は…
もしかしたら、俺よりもヒーローに向いているかもしれない。
そんなことを考えながら、促されるままに布団に潜った。
「…はる、今日さ、ほんとにごめんね?こんな時期だし、勉強とか追いつけないかも…」
「うっ…」
恐らく図星だろう。なんせ今は三学期。一番大事な時ではないか。
「…大丈夫です、」
「え、??」
いや、大丈夫ではないだろう…
「例えヒーローになれなかったとしても、私は後悔なんてしないと思います。
『私はホークスさんの役に立てた』…それでいいんです、私は…」
大好きな人の役に立てたなら、それでいいんです
一瞬、浮かれてしまった。
俺と、同じ意味なんじゃないかって。
わかってる、ヒーローが…ましてや子供だなんて。
けど、どうしようもなかった。
一度自覚したら、諦めるなんてできなかった。
でも…
きっと今のは、あくまで「ヒーローとして」ということだろう。
「お、俺も好きだよ?頼りになるし、強いし…」
「違います、そういう意味じゃないです」
え、じゃあどういう…
「ホークスさん、好きです。‶ヒーローと一般人の恋‶は、だめですか、?」
その時、俺は改めて実感した。
この子には、敵わない。
「ぇ、」
「…な、なーんてねっ!冗談…」
「はる」
ごめん、はる。
好きになって、ごめん
叶わない恋だから
ヒーローと子供。恋なんてできっこない。
できるはずない
でも。
「俺も、好き…」
風邪が治ったら、改めて伝えよう。
真っ赤になったはるを、羽とともに抱き締めた。
やっぱ国語力下がったー!!!!!ぴえんすぎる