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2人のひび割れ。 前編
春の柔らかな風が吹く放課後の校庭。
ひまり、みつき、そしてつむぎは一緒に歩いていた。
ひまり「みつき、最近なんだか私たち、距離を感じるよね」
みつき「そうかな?私は、ただもっと変わりたいだけなんだ」
つむぎは二人の間の微妙な空気に気づきながらも、何も言えずにいた。これが「気まずい」と言う事なのかと思った。
みつきは新しい挑戦や強さを求めて、ひまりに変わってほしいと願った。
ひまりは今のままの関係を守りたくて、心が揺れていた。
つむぎ「二人とも、無理しないで。焦らなくても大丈夫だよ」
でも、その言葉はどこか虚しく響いた。
日が沈みかけ、三人の影は長く伸びる。
ひまりの心には小さな亀裂が入り始め、みつきはその溝を埋められずにいた。