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6話〜次々と〜
長いね
グロいね
気をつけてね
ねるねるねるね
(??????????)
―???視点―
???「やれやれ···。ニンゲンという生き物は、実に面白いね。」
私が呟くと、狼の―いや、《《クレン》》と《《狐》》が呆れた顔をした。
赤斗「···なんで···なんでそんな事言えるんですか···。」
隣に座っていた赤斗が私を見つめて言う。
???「嗚呼···君達にまだ話してなかったね。だが···。」
私は一呼吸置いて続ける。
???「少々"用事"があるのでね。それらを終わらせてからにしようか。」
赤斗「用事って···。」
赤斗が問いかけるが、私はそれに答えず、無言で立ち上がった。
その時丁度"ソイツ"がやって来た。
???「···回収···ですか。」
···成る程、全てお見通し、ってワケか。
???「もし···バレたらどうするんですか。」
???「その時はその時。口封じでもすればいいだろう?」
私が笑うと、"ソイツ"は呆れた様な顔をした。
???「嗚呼···そうだ。1つ言っておこう。」
???「···何でしょうか。」
"ソイツ"は訝しげに見つめてくる。
???「···あまり私を深掘りするなよ?知らない事も―時には必要なのだから。」
"ソイツ"が息を呑んだのが背中から伝わってきたが、私は振り返らずに部屋を出た。
―さて。
誰から始めようか。
---
―賭博師視点―
賭博師「クレン!!クレン!!おいッ!!!···嘘だろ···?なぁ···。嘘だって···嘘だって言ってくれよ!···なぁ···。」
何度も、何度も呼び掛けるが、クレンからの反応は全く無い。
―今は残酷な位、冷静に行動した方がいいんだと思う。
ボカロファンが言っていた言葉を思い出す。
分かってる。分かってるけど···っ!!
堕天使『これは···マズいな。』
ルシファーが呟く。
次の瞬間、再び放送が鳴った。
`ピーンポーンパーンポーン`
『`赤い人`が、美術室に、現れました。気を付けてください。』
美術室···。
俺は3階にいるからまだ大丈夫か。
奏者『私1―H!カラダ持ってる!賭ける!1体にもってく!』
ボカロファンが単語で話し出した。
欠番『···幼児退行した?』
······。
辛辣。
突っ込むのも疲れてきた。
---
―奏者視点―
ナルに幼児退行って言われた···(´・ω・`)
それより、気のせいか、みんなの口数が減っている気がする。
それも無理無いか。
とりあえず1体に行こう。
1体に着くと、案の定そこには棺桶があった。
そこにカラダを置く。
すると、驚く程ピッタリはまる。
奏者「みんな!1つ入れたよ!」
私が知らせると、『よくやった』とか、『でかした』とか、称賛の声が次々に聞こえてきた。
よかった···死ぬ前に貢献出来て。
しかしこの喜びは
直ぐに壊れる事になる。
---
―欠番視点―
無線越しから、嬉しそうな声が聞こえる。
残るカラダは5つ。
まだまだ数はあるけれど、ボカロファンが1つおさめてくれたのは、大きな進歩だ。
もうこれ以上犠牲者を増やしたく無いし、私も頑張って探そう。
そう考えながら歩いていると、図書室で何かが動いた。
欠番「···ねぇ、図書室に誰か···いる?」
訪ねてみるが、全員「図書室にはいない」と答えた。
胡橙音『それ···`赤い人`じゃないですか?』
胡橙音ちゃんが聞いてくるが、赤い人にしては背が大きい気がする。
欠番「赤い人より大きい。私···見てみる。」
すると、ノータイムでボカロファンから注意の声が飛ぶ。
奏者『ゑ!?気を付けて!?』
···やっぱり幼児退行してるなぁ···。
図書室に入ると、一気に空気が重くなった。
立っているのがやっと、という様な状況だ。
少しでも気を緩めたら圧で死んでしまいそうな感じだった。
異様な空気は、奥の···丁度、翡翠ちゃんが赤い人に殺された辺りから漂ってくる。
恐怖より好奇心が勝り、空気の正体を探るべく、少しずつ近づいていった。
本棚の陰から、こっそりと覗いてみた。
欠番「···え···?」
―そこにいたのは、翡翠ちゃんの死体の前でしゃがみ込み、何かをしている···
水縹色の長髪を1本に結わえた、黒尽くめの女性だった。
気配は···《《あの人》》に似てる···でも、あの人はこんなニンゲンっぽい見た目じゃ無い···。
変身してる?それとも、気配が似た別の人?
???「ナル···。」
欠番「···っ!!」
困惑していると、私の気配に気付いた女性が、聞き覚えのあるハスキーボイスで名前を呼んだ。
逃げなきゃ···!
???「`見たね¿`」
次の瞬間、私は足を掴まれて持ち上げられていた。
その女性は、屋上のフェンスの上に立ち、怯える私を笑顔で見つめていた。
月明かりに照らされ、顔の1部が見える。
女性は、血を垂らした様な、悍ましい深紅の瞳をしていて、不気味に、鈍く輝いていた。
欠番「嫌···っ···やめて···っ離して···!」
どんなに声を上げても、言う事を聞いてくれない。
???「`ねぇ···ナル。今ここで、僕が君の足を離したらどうなるか···分かる?`」
···!!
今離したら···。
頭から、地面に落ち···
???「`じゃ、バイバイ♪`」
---
―火炎竜視点―
無線から聞こえてきた、何者かの悍ましい声、ナルが怯える声···。
その場に居合わせているわけでは無いのに、恐怖で押し潰されそうだ。
足離す···って
パァ····ン
いきなり、何かが破裂した様な、嫌な音がすぐ横で鳴り、窓が紅く染まった。
火炎竜「嘘···」
嫌な予感がして、窓を開け下を覗く。
目に入ってきたのは、頭部が砕け、脳と目が飛び出している···
火炎竜「うわァァァァァッッ!!!!ナルッ!?ナルッ!!!」
側に駆け寄るが、もう既に彼女は息絶えていて、頭から噴き出した血液が地面を汚していた。
あのハスキーボイス···見知らぬ声···。
これは、絶対赤い人じゃ無い。
赤い人だったら、その場で八つ裂きにしているはず···。
奏者『···まさか···。』
ボカロファンは、何かに気付いた様だった。
しかしその直後だった。
ダイスの絶叫が響いたのは。
---
―???視点―
危ない危ない♪
ナルに`僕`の事がバレるとこだったや。
ま、`バレたら直ぐに殺せば問題無し!`
やっぱり`僕`って天才だ!頭いい!
さってと···次の回収場所は···。
詐欺師「おっ···お前っ···!」
震えたダイスの声が後ろから聞こえる。
振り向くと、ダイスがガクガクと震えて立っていた。
そりゃしょうがない。
`僕`の威圧感に充てられた人は、誰でも動けなくなるし。
`1人殺してるし。`
ダイスは急いで逃げようとするが、そうはさせない。
直ぐ様捕まえ、逃げられない様に、壁に手を打ち付けておいた。
詐欺師「ぐぁぁ···っ···。」
苦痛に顔を歪めている。
何だか、`凄く面白かった。`
あは···。
どうしちゃったんだろ、`僕`♪
それより···。
???「あのさぁ~`僕`今お腹空いてるんだよね〜♪」
独り言を呟くと、彼の表情が強張った。
???「`僕の食料になってくれる¿`」
それを言うや否や、`僕`は彼に喰らいついて―。
---
―蒼羅視点―
ヤバい。
ヤバいヤバいヤバい。
何なんだ、あれは···!
スピードが速すぎる。
ダイスさんが何者かに殺される所を、モロに見てしまった。
あの女性···見た目は人間だけど、動き、行い···明らかに人間じゃ無い。
しかも、ダイスさんの事食べ···
???「`僕を見たのだぁ~れだ♪`」
愉快で堪らない、といった声で、僕の事を探し出した。
今ここで逃げないと、絶対に殺される。
赤い人の様な殺され方では無い気がする。
段々と足音が近付いてきた。
息を殺し、やり過ごす。
···。
どうやら、見つからなかった様だ。
足音は消え去り、辺りには誰一人としていなかった。
静かに、足音と反対の方向に向かって進む。
この先に、ダイスさんの···。
そう思って身構えたが、
―あったのは血痕だけで。
???「`ダイスはもう"処理"したからいないよ?`」
ただならぬ威圧感と、さっきから"`絶望`"を与えてくるハスキーボイス。
恐る恐る振り返ると、血で染まった手を舐めながら、笑顔でこちらを見つめるあの人がいた。
???「ん〜···。久々に人外食べたけど〜。やっぱり物足りない気もするんだよね〜♪」
そう呟きながら、ゆっくりと向かってくる。
???「まァ···察してくれた?えっと···蒼羅くん、だっけ。ねっ♪」
―`君みたいなニンゲンが食べたいんだっ♪`
逃げようとしたけど、そう、思った頃には既に押し倒されていて
そのままお腹を掻っ捌かれていた。
蒼羅「ぁ···うぁぁぁぁぁッッ!!!!」
裂かれた部分が、燃える様に熱くなる。
???「そんなに騒がなくてもいいのに〜♪」
この人···本当に正気じゃ無い。
心が狂気一色に染まってるっ···!
その人は、相変わらず笑顔でこちらを見つめていたが、視線をゆっくり下に落とした。
そして、裂いた部分に手を突っ込み、内臓をぐちゃぐちゃに掻き回し始めた。
蒼羅「嫌···だ···っ!!やめて···っ!!」
???「アハ···やっぱりこうでないとな〜♪最高だよ、ありがとう♪」
あまりの痛さに意識が飛びそうになる。
その人は、何かを引き摺り出して、そのまま啜りだした。
???「ニンゲンの方が美味しい···。」
笑顔でこちらを見つめる女性。
僕の顔の方に血塗れの手を伸ばし、目を抉って口の中に放り込む。
黎夜「うわァァァァァっ!?」
たまたま通りかかった黎夜が悲鳴を上げて走り去っていった。
それを見た女性は、ニヤリと笑い、恐ろしさも感じる声で呟く。
???「`逃さないよ♪`」
その状態で僕の方を向き、丁度心臓がある辺りに手を伸ばす。
段々視界がボヤケて···
---
―???視点―
次の放送をしようと椅子に座る。
その途端、背後からただならぬ威圧感を感じた。
弱い人だと、死んでしまう様な威圧感を。
ゆっくり振り返ると、返り血を大量に浴び、真っ赤に染まった手を舐めながら立っている"その人"がいた。
???「お風呂···入った方がいいかも知れないです。」
提案してみるが、「まだいい」と言われてしまう。
???「それより、蒼羅くん···だっけ。さっきのコは。やっぱり、能力持ちのニンゲンは最高だね♪」
さっきまで、大人しかったのに。
今までの面影は微塵も無く、完全に「狂」一色で染まっている。
これが、__の力···。
少し、甘く見ていたかも知れない。
下手をすれば、彼女の牙が此方にも向きそうだった。
???「嗚呼···そうだ。先程`僕`を見た黎夜くん···?は、もう少し泳がせとくよ。」
???「何故···。」
姿をバラされてしまえば、不利になるのに···
???「そんなの、`"逃げ切れた"って希望をチラつかせて、一気に絶望に叩き堕とす···そんな表情が大好物だからに決まってんじゃん♪`」
その言葉に、どれだけの狂気があったのだろう。
身体が強張り、動けなくなった。
彼女は、そんな事に目もくれず、「そろそろ行ってくるね〜♪」とだけ言って部屋から出ていった。
部屋から出ていった後も、彼女の狂気と威圧感に充てられて、暫く動く事が出来なかった。
---
???「少々やり過ぎな気もしますね···。仲が良いとはいえ、最悪の場合`おしおき`が必要です。」
からくる「ぼクが手伝っテあゲようカ?」
???「能力皆無、瞬間回復をどうやって狂わせるのですか?」
からくる「ぼクの特異体質忘レタ?それガあレバ、狂ワせルのモ簡単!」
???「···!!そうですか···。でも、何故···。」
からくる「ぼクは、`奏龍ノ"狂気"かラ作られタ存在だカラ`。」
「狂」から生まれた存在、堕天霊からくる―。
その狂気は全てを狂わせ、奏龍でさえも一目置く程。
《《異界ランクα》》の奏龍でさえも。
たかが異界ランクβαの者が。
からくるの機嫌を取らないと、奏龍の手には負えない程の「狂」が生まれる。
堕天霊からくる
特異体質―|狂《クル》
―触れた相手の全てを狂わせる体質。
奏龍の特異体質―無を跳ね返す。
からくるに触られれば、あの奏龍でさえも《《ただのニンゲンと同じ体質》》に変化してしまう。
···ねェ、奏龍♪《《殺ス側》》ジゃナく、《《殺サれル側》》にナる気持チ···
`味わッてみなイ¿`
嗚呼、でモ···
奏龍ハ、永遠ニ死なナいんだっタネ。
ジャあ···
`永遠の苦しミを味わっテ貰ウね♪`
どんだけ視点あんねん
どんだけグロいねん
どんだけ人死ぬねん
そつぎょうきねん(??????????)
__てか、魔の手が奏龍(私)にも伸びて···気のせいか。__