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【5】模擬戦
前の分を読まないとわからないかも
午後までずっと心臓が波打っていた。手を上げた事自体緊張物で、上げる前から鼓動が激しかった。そして、今。Aクラスに2人が敗れている。次の試合が俺の試合。ちなみに、ルガは俺の次の試合だ。
負けた。クラスメートが負ける場面は本当に気持ちが悪い。
対して3連勝中のAクラスは活気に満ちて、野次を飛ばしてくる。
俺は実戦室に立った。この戦いでは、相手を怪我させてはいけない。ボーダーラインはかすり傷。それ以上はアウトだ。怪我させずに地面に倒す。それなりに難しい課題だ。
「開始」
相手は文句無しに強い。それは戦う前から知っている。では、どう戦うか。真正面からは無理だ。となれば、相手の隙をつく。それが、今現在の俺の戦い方だ。
迫りくる水の直球。俺は少しの動作でかわし、少しずつ近接戦に持ち込んでいく。焦りを感じたのか、相手は能力で剣を生成する。なら、こっちも同じように対応する。俺は波動系の能力をもつ。剣は振るたびに衝撃派を帯びる。
先制攻撃。俺はスピードを重視した一撃を加える。剣で受けられるが問題ない。これで相手に一気に近づくことができた。右をかする水剣。素早くかわし、攻撃を繰り出す。俺も相手も疲労が著しい。
これで、終わりだ。
俺は魂を乗せた一撃を加えた。剣自体は受け止められたが、衝撃波によりAクラスの相手は吹っ飛ぶ。
--- 俺の、勝ちだ ---
気づいたときには周りはEクラスの面々の奇声に包まれていた。絶叫には喜びが含まれている。俺はひっそりと元いたところに戻る。目立ちたくはない。
でも、やっぱり、本当は、嬉しかった。
続く試合でルガは圧勝し、軌道に乗ったEクラスは勝ち試合を連発。脅威の喜びに包まれて模擬戦は終了した。
あのAクラスを滅した狂気が教室に充満している。どうやら俺はその立役者らしく、多くの人に称賛の声をかけられた。そこまで話したこともない人に褒められ、称えられる。
その不思議さとシンプルな嬉しさに浸った。