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星アレルギー
hutazuki
『こんな流れ星、また見てみたい…』
そう思ったのは、雨の中病院へ向かう母の車の窓から見えた雨粒だった
私はとあるアレルギーを持っている。
その名は「星アレルギー」
世界でも類を見ない珍しいアレルギーらしい
症状は普通のアレルギーと同じだが、名前の通り「星」が全くもって駄目だ
肉眼で見ることはもちろん、映像で見ることも、写真も、絵も
自分の頭が星と認識してしまうものは全部
これを発症したのは突然の事だった。
その日は数十年に一度といわれる流れ星の大軍が来る日だった
私はその煌く星空を眺めていた
数十分後、急に呼吸困難に陥った
すぐに救急車に乗せられ、病院に行った。そこで診断されたのが
「星アレルギー」だ
8歳の頃だった。
そんなことを話しているうちに病院に着いたようだ。
病院へ向かう階段を下りる。母との会話はない。
診察の名前を呼ばれ、診察室へ向かう。
あの先生は優しい。私の話を真剣に聞いてくれるし、
星に見られる物は全て寄せてくれる。
診察が終わり、さっき降りた階段を昇り、さっきとは逆に流れる雨水を見る。
本当は、この雨水も星と認識してしまい少し蕁麻疹ができている。
だが、そんなことよりももっと悲しいことが山ほどある。
学校にいけないことも、星を見れないことも
学校に行けたらさぞいいことだろう。
もし行ったとしても、行った途端ぶっ倒れるに違いないがな。
いつだって、いつだって、いつだって羨ましい。
こんなモノさえなければ、あの時、美しい空を見なければ
星が、なければ
そんなこと、叶わぬ夢なのは承知の上だ。
これは、私の問題。いつだって、いつだって、いつだって
『憎き星よ、醜き私を変えてくれ。』
そう、思いながら私は――――――
”あの時”撮った星空の写真を車窓に置いた
結構前からNOVELCAKEで小説投稿していている者です。(そちらでは一月といて活動してます。)
そっちの方で投稿した小説をこっちに引っ張ってきました。