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【こどおにっ!】灯和が風邪!?《1》
--- とある冬の夜のこと… ---
__ピピッピピッ…__
火影「……38.6度…なぜ言わなかった……」
__灯和「………んぇ……?」__
竜翔「たっか!?嘘でしょ!!?」
沙雪「えぇ…!?」
あまりの高熱に私は驚く。
天舞「うわーやっばー…」
竜翔「でもなんで急に……?」
猫葉「灯和、おぬしさっき川に落ちたのが原因じゃないのか…?」
沙雪「あー…」
---
灯和「お魚いっぱい釣れたね。」
沙雪「そうだね。猫葉ちゃんよかったね…!」
猫葉「今日の晩飯は最高じゃ〜!!」
灯和「だね!夜ご飯何にしよ
__ツルッ…__
灯和「……?」
沙雪「え」
猫葉「え」
**バッシャーーーン!!!**
---
竜翔「絶対それじゃんっ!!」
__灯和「…………あれはごめん………」__
天舞「真冬の山の川に落ちたらそら風邪ひくわ。」
竜翔「それより、どうする?今ちょうど薬切らしてるし、もう夜だよ?」
火影「…2~3時間かかるが、街まで行けば夜もあいてる薬屋があったはずだぞ。」
猫葉「!街っ!?(キラキラ)」
竜翔「ほんと?じゃあボク行ってくる!」
天舞「俺も行く!!」
猫葉「ワシも行くっ!!」
竜翔「え…」
火影「………竜翔、頼んでいいか…?」
竜翔「………………わかったよ……」
火影「沙雪は残って看病を手伝ってくれ。」
沙雪「はい!」
---
竜翔「じゃあ行ってくるね…」
天舞「行ってきまーす。」
沙雪「気をつけてね…!」
竜翔「よいしょっと…!!二人とも捕まっててね…?」
ぼわんっ!
沙雪「……行っちゃった…」
(………今日はやけに冷えるな…早く帰ろ……)
---
ガララ…
沙雪「帰りました〜!」
火影「ああ、おかえり。」
沙雪「灯和は…?」
火影「さっき寝た。あの様子だとだいぶ我慢してたな。」
横を見ると、顔が赤くなっている灯和が寝ていた。
いつもと違ってかなり呼吸が荒い。
しばらくして、火影さんが音を立てないようゆっくりと立ち上がった。
火影「私は川に水を汲みに行くから、しばらく灯和を見ててくれ。」
沙雪「は、はいっ!」
私が返事をすると、火影さんは部屋を出ていった。
すると横からか細い声が聞こえてくる。
__灯和「………ごめんねぇ……」__
沙雪「謝らないで。風邪なんて誰にでもあり得ることだから…ね?」
__灯和「………………そっか………」__
沙雪「何か欲しいものとかある?」
__灯和「……………冷たい手拭い………」__
目が潤んでいて、どれだけしんどいか伝わってくる。
見てるとこちらまで辛くなってくる。
沙雪「……とってくるから、少し待っててね…!」
灯和「…………(コクン)」
灯和は頷くと、また眠り始めた。
私はしばらくその寝顔を見つめて、水と手拭いを取りに部屋を出た。
---
てくてく…
沙雪「……………?」
台所に入ろうとして、中からの物音に気づく。
私はそっと襖を開けた。
するとそこには何やらゴソゴソと動く人影が見えた。
沙雪(火影さんがいるのかな…?)
私はその人影にそっと近づく。
しかし、その人影はこちらに全く気づかない。
私は違和感を感じ、声をかけた。
沙雪「あの…火影…さん?」
すると人影はピタリと動くのをやめた。
そして、ゆっくりとこちらを振り返った。
その瞬間、私は異変に気づく。
沙雪(……!?火影さんじゃない…!!?)
`??`「…………ア゛…?」
沙雪「…!!」
私は思わず腰が抜けそうになる。
それは、明らかに尋常じゃない空気を纏っていたから。
ボサボサの髪。
とても長い髭。
異様に大きい頭。
焦点の合わない大きな目。
人間ではあり得ないほど長い手足。
涎が滴る口から見える大きく鋭い牙。
2mを超えている身長。
……昔、本で見たことがある。彼は…`土蜘蛛`だ。
沙雪「……っ!!」
***`蜘蛛`「……ア゛ァア゛ア゛ァアアア゛!!!!」***
**バッッ!!**
瞬きする間に土蜘蛛は私に飛びかかってきた。
沙雪「!!!」
私は咄嗟に襖から出て横に避けた。
その直後に土蜘蛛が飛び出してきた。
**ガッシャーーーン!!!**
襖が壊れ、食器が割れる音がした。
しかし、そんなことを気にしている場合ではなかった。
沙雪「……灯和を守らなきゃ……っ!!」
---
__…ザッ…ザッ…ザッ……__
??「ゆ〜きやこんこん♪あられやこんこん♪」
「この山はいつも寒いなぁ〜…」
「……あ、もう少しで《《兄さま》》のお屋敷に着く!」
「楽しみだなぁ…!」
こんにちは、読書が好き🍵です。
さて、今回から連載小説『孤独な私と臆病鬼は、今日も光を探してる。』の
日常編『こどおにっ!』が始まりました。
前回も書いた通り、日常編のシチュはリクエスト箱にて募集中なので、
是非じゃんじゃん応募してくださいね。
日常編と言っていますが、今回の後半のようにシリアス展開でも全然いいですよ。
では、またどこかで……