公開中
現実
リメイク前↓
https://tanpen.net/novel/d5ce7079-8dae-4ea1-b494-fbcba6d9cfcc/
「っ…助けて…」
わたしは、そうつぶやく。わたしの居場所は、どこにもない。
親はわたしに虐待まがいのことをしてくる。ご飯も満足に食べられないし、お風呂にも入れない。部屋はぐちゃぐちゃで、そもそも親はあんまり帰ってこない。帰ってきたと思ったら、殴るだけ殴って終わり。
唯一のよりどころだった友達も、自殺した。学校に行ってもあの子はいないから、今はずっと休んでいる。
わたしには保険がかけられている。だから、死亡するとお金がもらえるとかなんとか。しょせん、わたしはただのお金を手に入れる道具だ。
もし、神様がいるのであれば、こんなことはしないだろう。
わたしは《《ひとりの人間》》なのに。
「え…??」
急に、部屋ががらりと変わる。
《《みんなにとって普通》》の、《《わたしにとって豪華》》な、子供部屋。クリーム色の壁を、上についている明るい照明が優しく照らす。木の温もりが感じられる学習机には、可愛いぬいぐるみ。
神様は、やっぱり、いたんだ!
すると、ひとりの少女が現れた。
「わたしは__いえ、なんでもありません。そうですね、わたしは神様、といったらいいでしょうか。あなたを酷い目に遭わせすぎました。反省の意を込めて、貴方を幸せにしてあげましょう。ただし、いじめなど、人が傷つくことをしないように」
「はい、わかりました!」
さっきまでかすれていた声が、たちまち潤う。久しぶりに、口角が上がった気がする。
それから、わたしは幸せに暮らした。
少女にとっての《《神様》》__この物語の《《作者》》は、とても満足しているそうです。
傍点を使ってみる試みで作った小説。作り方がうまいと言ってもらえて嬉しいです。
リメイク前は単調だったんですが、主人公の辛いところとか、子供部屋が嬉しいとかいう描写を追加してみました。