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亡霊都市 第1話 出会い、そして始まり・・・
クーくん
キャラクタープロフィール
秋本 幽里 (あきもと ゆうり) 女子 この話の主人公
17歳の高校2年生 零譚高校(れいたんこうこう)に通っている
身長162.3cm 体重50.2kg
1人称は私 小学4年生の弟がいる
松風 怪羅 (まつかぜ かいら) 男子 幽里のクラスに転校してきた青年
17歳の高校2年生
身長172.5cm 体重60.3kg
1人称は俺
花園 奏 (はなぞの かなで) 女子 幽里のクラスメイトで親友、なぜか怪羅には嫌われる
16歳の高校2年生
身長156.6cm 体重45.3kg
1人称は私
ジリリリリ・・・・
私の部屋に響き渡るうるさい時計の音、それを止めた私は眠たい頭を上げてあくびをする、
「ふぁ~・・・よく寝た~・・・今何時だろ?」
そう言いながら私は時計を見る、時計は7時30分を指している・・・
「って!7時30分?!ヤバい遅刻する!」
私は急いでオレンジ色の髪を結び制服に着替えて下に降りると、台所にお母さんがいた、洗い物をしてるようだ。
「お母さん!ご飯できてる?!」
私は台所にいるお母さんに聞いた
「はいはい、もうとっくに出来てますよ、というかもっと早く起きなさいよね」
「ごめんなさい!お母さんありがとう!」
私はそういうとトーストを急いで食べる。
どうやら弟とお父さんはもう家をでたようだ、まあ当たり前だよね・・・
「それと、最近子供が行方不明になる事件が増えてるから気をつけなさい」
「はーい!」
お母さんの話を半分聞き流しながら鞄を持って靴を履き自転車に飛び乗る。
「今からでも全力で飛ばせば間に合うはず!急げー!」
私は全力で自転車を飛ばして高校へ目指す。
---
「ふー、ギリギリセーフ・・・」
私は鞄から教科書を取り出しながら言う
「危なかったね幽里ちゃん、間に合ってよかったよ」
隣の席の奏が安心したようにそう言った
「うん!本当によかったよ、これで私の皆勤賞は守られた!なんてね~、あっ!そろそろ先生来る時間だ!」
ガラッ
その時先生が教室に入ってきた、さっきまで騒いでいたクラスメイトも今はシーンとしている。
そして先生は教卓に立つとこう言った、
「今日転校生がきた、みんな仲良くするように、それでは入ってきなさい」
そう言って先生は扉の方を向いた。
「こんな時期に?」
「どんな人かな?」
「男かな?女かな?」
みんなもそんなことを言いながら扉の方を見る。
(6月の終わりに転校生なんて珍しいな・・・)そんなことを考えてると、奏が私に聞いてきた。
「転校生か・・・どんな人なんだろうね?」
「うーん、まあ普通じゃなさそうだけどねこんな時期だし。」私は扉の方を見ながらそう答えた。
すると、転校生が教室に入ってきた、黒髪に白っぽいの肌で無表情な男子だ、
「挨拶をしてくれ」先生がそう言う。
「はい、俺は松風 怪羅だ、よろしく」
彼は、表情をピクリとも変えず挨拶をしている
「ということで、松風が、今日から新しいクラスメイトになるぞ、
もう一度言っとくがみんな仲良くするように」
「はーい!」みんなは答えた。
「それでは、松風の席は~、おっ花園の隣が空いてるな、そこが松風の席な」
そう言って先生が指を指した先を見た時、
一瞬松風さんは赤い目を見開き驚いた様子だったがすぐに元の無表情に戻った、
(今の何だったんだろう・・・)
「奏、松風さんのこと知ってる?」気になって私は奏に聞いてみた、
「え?うーん・・・知らないけど、どうかしたの?」少し考えた後に奏は答える、
「そう、それなら良いけど・・・」
(じゃあさっきのは何だったんだろう?)
私は少し疑問に思ったがとりあえず気にしなくて良いかと思い、
そのままホームルームが終わるのを待った。
ホームルームが終わると松風さんの周りには人が集まってきた、みんな松風さんが気になるようで、松風さんが質問責めにされている。
(あれじゃあ、松風さんも答えられないでしょ・・・あれ?なんか松風さんの席遠くない?)
そう思いながら私はみんなを眺める。
松風さんの席は奏の席を挟んで丁度反対側なのに奏の席との距離が離れてる気がするのだ。
少し気になりはしたが、聞くまでのことでもないので放置した。
そんなことがありながらも暫くして、下校時間になった。
結局松風さんは休み時間はずっと囲まれており、席から離れることは出来なかったようだ。
「あれ?雨が降ってきてる・・・今日雨は降らないって予報だったのに」
「えー、今日傘持ってきてない!・・・最悪・・・」誰かが言った、
それにつられて私も窓を見る、この雨じゃ自転車は押して帰るしかなさそうだ、
(はぁ、折りたたみ傘も合羽も持ってきてないよ・・・)私は溜め息をつき帰る準備を進める。
「奏、いっしょ・・・「花園!ちょっと手を貸してくれ!」
奏に声をかけようと思ったがどうやら先生に呼ばれたようだ、奏は少し困っていたが、
私がニッコリ笑うと奏は頷きながら「はーい!」と先生の方に行きながら返事をした。
(さて、コンビニで合羽買わないとかな・・・)そんなことを考えながら私は靴を履き替えて学校を出る、
ちょうど学校の近くにはコンビニがあるので、合羽を買った。
コンビニを出てしばらく歩いたら、さっきよりよりいっそう雨が強くなった。
(早く帰らないとな・・・)そう思いながら足を速くする。そんなとき、
ズルズル・・・
(え?)後ろから何かを引きずるような音がしたような気がした。
ズルズル・・・
気になり振り返ると、そこには髪が長い女性がいた。音はどうやら彼女の方からしているようだ。
(何を引きずっているんだろ?)私は女性が引きずっている物が気になり目を凝らした。
雨と雲で視界が悪くよく見えない。
(何だろ?人形かな?)子どもくらいのサイズの何かを引きずってる。さらによく見てみると・・・
(あれ?なんか、後ろに赤い線がでてる気が・・・まさか・・・そんなわけ・・・)
その時、朝お母さんが言ってたことを思い出した。
【それと、最近子供が行方不明になる事件が増えてるから気をつけなさい】
(子どもが行方不明ってこの人のせい?!どうしよう?!)その時、私は女性の顔を見た。
(え?か、顔が・・・)その女性の顔は潰れてグチャグチャになっていて、とても生きている人間の顔とは思えなかった、
「あわ・・・あわわわわ・・・」私は驚き、座り込んでしまった。
その時、女性が長い手を私に向かってのばしてきた。
(逃げないと!)私はすぐに立ち上がり全力速で逃げた。当然女性も追いかけてくる。
(子供引きずりながらなのに速くない?!)私は追いつかれそうになっていた。その時に、
「キャッ!」私はつまずき転んでしまった。
(は、はやく・・・逃げないと・・・痛っ!)私は逃げようと立ち上がろうとする。
しかし足に激痛が走り立てなかった、どうやら足を捻ってしまったようだ。
(どうしよう、はやく逃げないとなのに・・・)後ろを見ると、もうすぐそこに女性が来ていた。
(はやく逃げないと・・・あれ、今のは?)その時に女性の後ろに男の人影が見えた気がした。
(今の服、私と同じ零譚高校の男子の制服じゃ?)そんなこと思っていると、目の前に長い手が迫っていた。
(やば・・・)その時!
「俺のクラスメイトに何やってんだよブース」
(え?)そんな声が聞こえてきた、その瞬間女性は手を戻し声の主を探し始めた。
どうやらブスと言われたのがよっぽど気に障ったらしい。
私も声の主を探すと、そこには見覚えのある顔があった、転校してきた松風さんだ。
「なんで松風さんがここに?」私は思わずそう聞いた。
「あ?俺はあのクソブスを探しててな、見つけたらお前が襲われてたから助けただけだ」
松風さんはそう答えながら、ブレザーのポッケからボロボロな手帳をだした。
「そんなものどうするの?それよりもはやく逃げないと!」私は言った。
「逃げるってお前足ひねってるだろ」
(うっ、確かに)以外とよく見てるようだ。
「それなら、お前を抱えて逃げるよりあいつを倒した方が速いからな」
松風さんはそう言いながら手帳をめくる。
(え?倒す?手帳で?)私は訳が分からず首を傾げる。
その時松風さんはニヤッと笑いページをめくる手を止めた。
「見つけた『ムラサキカガミ』」
松風さんがそう言うと同時に手帳から紫色をした鏡が出てきた。
「えっ?はっ?どうなってるの?」私は混乱してそんなことを呟く。
松風さんはそんなのお構いなしに女性へ鏡を向ける。すると、
「ギャァァァァ~・・・」
そんな断末魔と共に女性は引きずっていた子供を置いて鏡に吸い込まれていった。
それと同時に女性が居たところに白いワンピースが落ちていた。
「よし、これでアイツが攫った人は戻ってくるな」
松風さんはワンピースを手帳に閉まってそう言った。いつの間にか引きずられてた子供も治っている。
「あなたは何なの?何をしたの?それは何?あの人はどうなったの?」
私は一気に松風さんに質問をした。
「わかったわかった全部説明する。だからどっかのカフェかファミレスに行こうぜ。お前の足も見ないとだし、自転車も取りに行かないとだろ」
そう言うと松風さんは私を抱え上げた、
「えっ、ちょっと、なんで抱っこなの?!」
「なんでって、おまえが歩くより速いからだが?おんぶは面倒だし」
いつの間にか雨はやんでいた。
---
あの後、薬局で薬と包帯を買って足の手当てをしてから、ファミレスへ行って話を聞いた。
「お前がさっき襲われたのは幽霊だ」
「・・・は?ちょっともう一回言ってくれない?」
松風さんから言われたことが信じられずそんな言葉が飛び出す。
確かにさっき起きたことは現実味が無かった。しかし、さすがに幽霊なんて信じられない。
「はぁ、だからさっき襲われたのは幽霊だって」
「私の耳がおかしいのかな?幽霊って聞こえたんだけど」
「いや、お前の耳はおかしくない、幽霊にお前は襲われたんだ」
どうやら私の耳はおかしくないし、幽霊に襲われたのは本当のようだ・・・
「お前は幽霊の『ひきこさん』に襲われたんだ」
「『ひきこさん』?」私は聞き返す。
「ああ、そうだ、幽霊『ひきこさん』、彼女は雨が降る日に出てきて子供を引きずり回し攫う幽霊だ」
「何でそんなひどいことを・・・」
「彼女は生前ひどいいじめを受けててな、かわいい顔が潰れるまで学校中を引きずられたんだ。そのいじめを受けて彼女は自殺をした、しかし彼女の恨みは消えずに幽霊となって彷徨っていたんだ。雨が降る日にだけでるのも顔を出来るだけ隠すためだ。」
「なるほど、だからブスって言葉にも反応してたのね」
「そうだ、そして彼女は鏡、というか顔が写る物に弱い。だから、コイツで撃退したんだ」
松風さんはそう言って、テーブルの上にある紫色の鏡に目をおとす。
「これは?」私は聞く。
「それは呪われた鏡だ。『ムラサキカガミ』と言われている。」
「えっ!の、呪われた鏡?!」
衝撃の発言に私はのけぞる。
「ああそうだ、コレを見た人は20歳になる誕生日の前日までに絶対死ぬ、そういう呪いだ」
「え?じゃあ私20歳になる前に死んじゃうの?」
「ああそれは大丈夫だ」
そう言いながら松風さんは手帳をとりだすと、
『ムラサキカガミ』と書かれたページの次のページを開きこう言った。
「『シロスイショウ』」そう言うとテーブルの上の『ムラサキカガミ』が消えてなくなった。
「これで呪いはとけた、安心してくれ」
「そう、それなら良いけど・・・、ところでその手帳は?」
私は気になっていたもう1つの事についても聞いてみる。
「これは、怪辞典と言う物で、ページを開いて名前を読めばその怪を呼び出せるんだ」
「ふーん・・・、って!なにそれ!じゃあさっきの『ひきこさん』はあなたが出したの?」
「いや、これは制御装置・・・簡単に言えばポ○モンのボールみたいな物で、捕まえないといけないんだ、倒したり弱らせたら出てくるナニカをこの怪辞典に入れれば操れるようになる」
「ナニカってどういうこと?」
「ナニが出てくるかはわからないんだ、『ムラサキカガミ』の時は鏡の破片だった」
「なるほどね・・・それでアナタは何のために怪を集めてるの?」
その話を聞いたら一番気になるのはそこだ。
「怪による犠牲者を出さないようにするためだ」
松風さんはそう言うが、松風さんの目が一瞬濁った気がした。
(嘘を付いてる・・・)そう感じたが、問い詰めてもはぐらかされると思い諦めた。
「これで説明は終わりだ、くれぐれも人に話すなよ」
「話す訳ないでしょ、というか話しても変人扱いされて終わりよ」
「それもそうだな」
そんなこと言いながら私たちは店を出た、その時ちょうど5時を告げるチャイムが鳴ってきた。
その時、
ピピピピピ・・・
「電話?奏からだ」
ピッ
「もしもし?奏どうしたの?」
[幽里ちゃん!お願い助けて!学校から帰ろうとしたら教室に変な女の人が居て襲われてるの!
大きな鎌を持ってて、あ、あs・・・キャッ!]ツーツー
「もしもし?!奏?!き、切れてる・・・どうしよう!」
私は隣にいた松風さんに話しかける。
「どうしようって、行くしかないだろ!」
そういうと松風さんは学校の方に走り出した。
ボソッ「花園ならある程度は大丈夫だろうが・・・」
「え?なんか言った?」
私も松風さんの後を追い学校へと走る。
「いや、何でもない。それより急ぐぞ!」
「うん!」
(待ってて奏、すぐに助けに行くからね!)
空は不気味に赤黒く染まっていた。
キャラの見た目についての補足を少し追加したり主人公の動きを分かりやすくしました。
第2話もすぐ出して第3話を書きたいと思います。
今回出てきた怪異のかるい説明です。
いろんな伝承があるのでこんな感じの話もあるんだ~っていどに見てください、
あと、詳しいところは自分で調べてください(自己責任で)。
ひきこさん・・・雨の日に現れ子供を引きずり回し連れ去る女性の霊、鏡やブスなどの言葉に反応する。
ムラサキカガミ・・・その言葉を二十歳まで覚えていると死ぬ、シロスイショウと言う言葉を一緒に覚えておけば死なない。
最後に奏を襲った怪異についてですが次回のあとがきに説明を載せておきます。
都市伝説などに詳しい人は今の情報でもギリギリ分かるか?って感じですね、
次回もよろしくお願いします。