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紅白 悩んだ
目が覚めるとあたりは薄暗く、私が最も嫌う音が狭い空間に鳴り響いていた。
少し前まで視界は真っ茶色でガサガサと紙の音を立てていたのになぜ今私はこんなところにいるんだろう。
しばらくするとドアの向こうからコツコツと足音が聞こえドアが開いた。
白髪で顔には無数のしわがあり、フードがついたマントを身に纏っていた。
老婆は近くの棚から分厚い本を取り出し、小瓶に入っていた粉や液体、よくわからない固形物をぐつぐつとした鍋に入れていった。
そして私をじろっと見てから私の頭をしわがれた手でがしっと掴み鍋の中に放り入れた。
一瞬の痛みを感じた後私は意識を失った。
老婆が鍋を大きなへらでかき混ぜるとあたりには毒々しいにおいが広がった。