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いつか、“出会いたかった世界”と出会えるかな。2
1話をお読みになっていない人は、1話からお読みください!
1話https://tanpen.net/novel/911c4374-8935-43c3-a1bc-bda7f8a21569/
休み時間。
希子ちゃんと、仲良くなれたらいいな……。
緊張するけど、話しかけてみようかな。
「あ、あの……!希子ちゃ、じゃなくて、希子っていうんだよね? えっと、自己紹介聞いて、話してみたいなって思ったんだけど……」
「あ、えっと、|初子《ういこ》、だよね? 嬉しい……! じつは私も、初子の自己紹介聞いて、話したいって思ったから、歴史好きって言ったの。私もね、令和時代が一番好きなんだ!」
「え、そうなの!? なんか嬉しい……!」
「私ね、親が歴史の先生で、令和時代のとこが専門なんだよね。その影響で、歴史が好きになったんだ」
え、うそ。
「ほんとに!? じ、実は、私の親、歴史学者で、その影響で歴史が好きになったんだ……!」
☆★☆
そう。私の親は歴史学者。
しかも、希子ちゃんの親と同じく、令和時代が専門だ。
家には、令和時代について書かれた本や書類がたくさんあり、小さいときから、令和時代についての話を聞いていた。
その影響があってか、私はすっかり令和時代に染まっているのだ。
一番影響しているのは、やはり人の呼び方だと思う。
親には、生まれたときから「ういちゃん」と呼ばれていた。
そのため、友達を「ちゃん付け」「くん付け」で読んでしまう癖がある。
外で出ないように気を付けてはいるけど。
☆★☆
「まじで!? じゃあ、令和時代詳しかったりする?」
「う、うん。詳しいというか、小さい時ときから身近で触れてたから……」
「え、私もなんだけど! 似た人がこんなに近くにいて嬉しいよー!」
それは、私もそう感じる。
「私も嬉しいよ!」
☆★☆
入学式から1週間が経った。
もうすでに、ある程度のグループができあがっている。
私は、いつも希子ちゃんと一緒に行動している。
初日に意気投合したため、希子ちゃんともっと仲良くなりたかったから、他の人とはあまり話せていないのだ。
まあ、自分から話しかけるのが苦手っていうのもあるけど。
今の状況のままでも、私にとっては居心地がいい。
だから、友人関係で心配することはあまりない。
入学前は、友達ができるか不安だったけれど、希子ちゃんのおかげで、不安なくクラスに馴染めそうだな……!
「ねえ、初子」
うわああああ! びっくりしたぁ……!
「ん? どした?」
「私さ、初子と連絡先交換したっけ?」
「えっと、ううん、してないよ」
「じゃあしようよ!」
「う、うん! しよ!」
そう言って私は、ポケットからフォンタを取り出した。
「フォンタ」というのは、令和時代でいうスマートフォンのこと。
今の方がずっとコンパクトで、大きさも変えられて便利だけどね。
「連絡先、追加できたよ!」
「私も!」
「じゃあ,なにかあったら連絡ちょーだいね!」
「うん、希子もね!」
そうして私たちは、連絡先を交換することができた。
「わっ、てか、もう下校時刻じゃん! 一緒帰ろ!」
「オッケー!」
私たちは、カプセル停車場に向かった。
「カプセル停車場」とは、言葉通り、カプセルを停車するところのこと。
カプセルは、私たちの主な交通手段。
国から、一人につき一つ配布される乗り物だ。
丸い透明なカプセルは、人が一人座れるくらいの大きさで、前方にモニターが設置してある。
そのモニターを使って、行き先を指定すると、そこまで乗っていくことができるのだ。
もちろん、カプセル外部の音声は聞くことができるので、カプセル乗車時に人と話すことも可能である。
そのため、下校時に、友達と話しながら帰ることができるのだ。
私たちは、他愛もない話をしながら家路についた。
「そういえばさ、まだ委員会って決めてないよね」
と、希子がいきなり話題を変えた。
「そ、そうだね! どういうのがあるんだっけ?」
「うーんと、生徒委員っていう、みんなをまとめる委員会とか? あとは、生活委員、整備委員とかがあった気がする!」
「できるだけラクな委員会がいいな……」
「あー、めっちゃ分かる! 初子と同じ委員会入れたら嬉しいな!」
「え! 私も!」
「よっしゃ! じゃあ、入りたい委員会決めたらフォンタで連絡するね」
「了解!」
☆★☆
やっほ、きとりです!
やっぱり、ゆっくり投稿してるから、投稿遅くなっちゃいました、w
今回はどーだったでしょーかっ、?
楽しんでいただけたら幸いです……!
次話の投稿も遅くなってしまうかもですが、ぜひ応援等よろしくお願いします……!!