公開中
にしんパイ誕生日記念小説
はい。
書いていきますよおぉ。
にしん誕生日おめでとう。
俺からのプレゼント、受け取ってくれよな…ッ☆
コッ( ᐛ )
すいませんふざけました。
名前出すの嫌なら言ってください。
フランスのとある郊外の家。
クリスマスの晩。
1人の娘が部屋でベッドに腰掛けていた。
その部屋の壁側には1人の執事が居た。
その娘は、誰が見てもたじろぐほどに美しかった。
目は透き通ったスカイブルーで、腰くらいまでありそうな長髪は綺麗な金色。
その綺麗な髪の先を触りながら呟いた。
「…今日はパーティーね、楽しみだわ」
執事は頷きながら言った。
「お嬢様、あと1時間ほどでパーティーが始まりますので着替えをしていただきたく」
「……分かったわ、今日は1人で着替えさせてちょうだい」
「かしこまりました、では後ほどお迎えにあがりますので」
その娘が頷くと、執事は一礼をして部屋を出て行った。
執事が出ていったのを確認してから、娘はため息をついた。
「…本当は、パーティーなんて行きたくないわ、」
娘は悲しそうに言った。
娘は金持ちの娘だったが、パーティーなどの洒落たものは好きではなかった。
「パーティーに行かない方法はないのかしら、」
「お父様もお母様も私のことなんて気にしていらっしゃらないわよね、」
そのとき、鍵を閉めていたはずの窓が開いて、ぶわっと風が吹いてカーテンがなびく。
風の強さに目を閉じ、目を開けると、何者かが窓枠にふわっと立った。
娘は、家が金持ちなゆえ狙われることが多々あったので、警戒しつつ尋ねた。
「貴方は誰?」
「……君を助けてあげる天使だよっ」
「天使なんて存在しないでしょう、貴方は誰ですか?」
「…はぁーっ、信じてくれないのかぁ」
「……次はありませんよ、貴方は誰ですか?」
娘は、狙われた時のために持っている護身用のナイフを取り出しながら尋ねた。
「ちょ、殺すなよ!?…そーだよ、俺は天使じゃないよ」
「やっぱりそうですよね、じゃあ…」
「……俺は魔女だよ」
「…ま、じょ…?」
その魔女は、堂々と部屋に侵入しながら言った。
魔女は、エメラルドグリーンの服を着ていた。
「魔女?何を言ってるんですか?狙いに来たんでしょう?」
「だぁーかーらー、魔女っつってんの!君を助けに来たの!」
「……私を狙いに来たのにお前呼びしないんですね」
娘はまだ警戒しているようだ。
「だから、狙ってねぇっつーの!お前呼びされたいのかよ!?」
「別にされたいわけじゃないですが…警戒するのは当たり前でしょう」
魔女がむきーっと肩を怒らせて言った。
「魔女だっつーの!ここ何階!?ここ豪邸の5階!普通の人間が入れるわけないでしょ!」
「…でも信じられないです、私は狙われることが多いんですよ?」
「……まぁそれもそうだけどな…んじゃ、ククおいで」
ククと呼ばれたのは、真っ黒な猫。
『俺もただの猫じゃないぜ、喋るんだからな』
「どうだ、これで流石にわかっただろ?」
魔女が自慢げに言った。
「…貴方が私を狙う人ではないことは分かりましたが…」
「ちょっと質問しますね」
「おう、ばっちこいだ!」
ククは眠そうに体を丸めた。
「…貴方、魔女さんは女性ですか?」
「うん、女だぞ!…なんで急に?」
「……胸大きいので女性かと思いまして」
「どこ見てんだよ変態っ!」
魔女が慌てて胸を隠す。
「理由聞いたのそっちじゃないですか、」
「うるさい、まだあるなら早くしろ!」
「わかりました、助けるというのはどういう事なんですか?」
魔女は待ちくたびれたように言った。
「もちのろん、魔法だ!」
「それは分かってるんですけど、何を助けるんですか?」
「お前の名前はなんだ?」
「……ルビー・アイスター」
「ルビー、お前はパーティーに行きたくないんだろ?」
「…はい」
「それを解決してやるってわけだ」
娘は少し俯いた。
「…お父様とお母様は、」
「なぁに、心配しなくていいよ」
魔女は、にやりと笑って何かを呟いた。
すると、娘のベッドに娘そっくりの人形が現れた。
「これはルビーと同じ声で同じような動きをしてくれるから、代わりに出て貰えばいい」
「…それだけですか、」
「んなわけ、そんなんじゃ俺がここに来た意味ないじゃん」
魔女は悪っぽい顔で言った。
「せっかくなら遊んじゃおうぜ」
「遊ぶ、」
「抜け出すんだよ」
「……遊ぶとは、何をするんですか」
「んー…空飛んだり、イタズラしたり、魔法があればなんでもできるぜ」
「…楽しそう、」
「お前子供の頃からぬいぐるみだけしかなかったもんな」
「はい、そうです…って、なんで、知って…?」
「あ、いや、カマかけただけだぜ」
「ま、遊びたいだろ?」
娘は俯いた。
けれど、その目にはきらきらと今までなかった光が宿っていた。
魔女は、その光を見てふっと笑い、手を差し出す。
「ほら、遊びてぇんだろ」
娘は、顔を上げて魔女の手を取った。
その瞬間、魔女と娘から光が出てくる。
「この、光は…?」
「俺の魔力をお前に分けてるんだよ」
しばらくすると、光が消えた。
「これでお前もある程度魔法が使えるようになった」
「魔法、が…」
「よし、窓枠のところに立って箒に乗ってみろ」
魔女は、どこからともなく箒を取り出すと、娘に投げた。
「ごめんなさい、スカートが邪魔で…」
「あぁ、そうか…お前ドレスだもんな」
娘は、パーティーのためにドレスを着ていたので、箒に乗れないのだ。
「んじゃ、俺が言った呪文唱えてみろ」
「スターライト・ドレスチェンジ」
「す、スターライト・ドレスチェンジ、」
娘が呟くと、娘を光が包んだ。
その光が消えた後、娘はドレスではなく漆黒のミニスカートドレスに網タイツを履いていた。
「わ、」
「んじゃ、ついでに使い魔もやるか」
「スターライト・モンスター、汝の力を持って我の使い魔を示せ」
娘が繰り返すと、娘の足元に何かが現れた。
そこには、真っ黒なうさぎが。
「うさぎ…」
「使い魔は黒って決まってんだ、気にすんな」
「ちなみにさっきの黒猫、ククは俺の使い魔だ」
魔女は、窓枠から箒に飛び乗って言った。
「同じようにやってみればできるぞ、落ちそうだったら支えてやるから」
娘は、怖がりながらも窓枠に立ち、箒を外に浮かせた。
そして思い切ってジャンプ。
「素質あるなお前」
「すごい、箒…」
「よし、空のお散歩だ」
魔女は勢いよく上空へ。
娘も見よう見まねでついていった。
「ほら、いい景色だろ」
「…魔女さん、ありがとうございます」
「ふっ、もっと礼を言え」
「…何回もは言いませんけど、こう言う事ができて嬉しいです」
「んじゃ、お菓子出そ」
魔女がまた呟くと、魔女と娘の手元にはお菓子が。
娘はそれを一口食べ、笑顔を浮かべる。
魔女は、それを見て寂しそうに笑う。
「…おっと、もうそろそろ時間だな」
時計の針はもうすぐ12時を指す。
あと少しでパーティーも終わりだ。
「偽物がパーティーから帰ってきたら魔法で消そうぜ」
「魔法って、すごいんですね」
「…最後くらい、敬語使うなよ」
「…あ、…うん、」
「今日は楽しかったぜ」
「部屋、戻る、?」
「あぁ」
2人は部屋に戻った。
偽物を魔法で消し、ベッドに腰掛ける。
「…私も、楽しかった」
「そうか、」
娘は、はしゃいで疲れたのかベッドに倒れ込み、魔女に向かって微笑むと、眠りに落ちた。
魔女は、俯いて静かに雫をこぼした。
そして何かを書いた紙を机の中に入れ、消えた。
翌朝、娘の机のそばに、子供の頃よく使っていた、《《エメラルドグリーンの服を着た》》人形が一つ落ちていたのだそうな。
セリフの間に改行入れると文字数多くなるから小説自体が長いのか短いのかわかんない。
長かったらごめんね。
happy birthdayにしん!
いい年になりますよーに。
🐟